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英語のライティングは、「書いて添削」よりも、まずは「大量のインプット」を

2019年02月15日 公開
2023年03月10日 更新

西真理子(ランゲージ・マジック・ファクトリー代表)

中1レベルの英文の「写経」で「型」を身につけよう

 ビジネスパーソンが英語を使う場面として、Eメールやプレゼン資料などを「書く」ことも多い。書くためには、対面して話すよりも高度な英語力が必要だ。そのうえ、書けるようになるための勉強は、添削が必要だから一人ではしにくいと思っている人が多いだろう。ところが、一人でライティングの基礎力を身につける方法があるという。いったい、どんな方法なのか?

 

ラインティングには正確性が求められる

 リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4技能の中で、最もハードルが高いのがライティングです。

 リーディングよりもライティングのほうが難しいのは、言うまでもないでしょう。

 また、ライティングには、リスニングやスピーキングよりも正確性が求められます。

 リスニングやスピーキングは、文法が間違っていても、表現がおかしくても、通じさえすれば仕事ができます。プレゼンで重要なのは、英語の正しさよりも、熱意かもしれません。

 しかし、書いたものはあとに残ります。

 直接話をしたわけではない人が、間違った英文で書かれたプレゼン資料を読めば、内容は良くても、信用するに足りないと判断するかもしれません。

 また、不自然な英文のEメールを送ると、相手は「この人は本当に大丈夫なのか」と疑いを持つかもしれません。

 しかも、日本にいながら海外と仕事をしているビジネスパーソンの多くは、電話やプレゼンなどで英語を話す場面よりも、Eメールや書類で英語を書く場面のほうが多いのではないでしょうか。

 これほどに重要なライティングの勉強ですが、自分なりに英文を書いて、先生に添削してもらうという一般的な方法には、大きな問題があります。

 自分なりに書くということは、自分が知っている文法や語彙の範囲内でしか書けないということです。ですから、なかなか能力が伸びないのです。

 では、どうすればいいのかというと、自分なりに書く前に、インプットを多くすること。たくさんの英文をインプットすることで、英文の型が身につき、ライティングの能力が高まります。

 そして、インプットを増やし、それを効率よくライティングの能力につなげる勉強法が、「写経」です。

 

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同じ英文を繰り返し書き、「型」を身体に刷り込む >

著者紹介

西 真理子(にし・まりこ)

ランゲージ・マジック・ファクトリー代表

長崎県生まれ。1990年、国際基督教大学教養学部卒業。外資系企業数社にて役員秘書・エグゼクティブアシスタントを務めたのち、現在はビジネス英語をはじめとするビジネススキル講座講師、また英語コーチとして、教育やトレーニング事業に携わる。英検1級。著書に『「英語を話せる人」と「挫折する人」の習慣』(明日香出版社)、『よく出る6テーマ別 英検総合トレーニング準1級』(三修社)などがある。

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