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「ワーク×バケーション=ワーケーション」を南紀で。JMAMが自治体と包括連携協定

2019年02月08日 公開
2023年01月30日 更新

『THE21』編集部

「働き方」だけでなく、「休み方」「楽しみ方」「学び方」の改革も


左から、JMAM社長・張士洛氏、同会長・長谷川隆氏、和歌山県知事・仁坂吉伸氏、田辺市長・真砂充敏氏、白浜町長・井澗誠氏

 

 2月8日(金)、東京都中央区の〔株〕日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)本社において、同社と和歌山県、田辺市、白浜町との、和歌山県における「ワーケーション」事業の実施に向けた包括連携協定の調印式が行なわれた。

 

 ワーケーション(Workation)とは、Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた、欧米発の造語だ。都会のオフィスを離れて、例えば、午前中はテレワークで仕事をし、午後はビーチでまったり過ごす。あるいは、午前中は研修をして、午後は地域でCSR活動をする、というような時間の使い方を指す。JMAMの新規事業開発室・時間(とき)デザイン研究所参事の川村泰朗氏は、「いつもと違う場所に滞在し、いつもの仕事は犠牲にせずに、いつもはできないことをすること」と説明した。

 同社会長の長谷川隆氏は、「『働き方改革』と言うが、それだけでいいのか。日本人は休み方を知らないのではないか。『休み方改革』、『楽しみ方改革』、さらには、学び方さえも変えることが必要なのではないか。すべてがセットになって、初めて『改革』だ」と、ワーケーションの重要性を語った。今後、約5,500社ある同社の顧客に、ワーケーションの新しいサービスを提案していくという。同社社長の張士洛(ちょう・しろう)氏は、「就業時間内のフォーマルラーニングという、これまでの『学び方』を反省しなければならない」と話した。

 ワーケーション事業を行なうにあたって、和歌山県や、同県にある田辺市、白浜町と包括連携協定を結んだのは、これらの自治体が「ワーケーションのトップランナー」(川村氏)だからだ。

 和歌山県はWi-Fi密度(人口当たりのWi-Fiスポット数)が沖縄県に次いで全国2位。田辺市にある複合施設「Big・U」や「秋津野ガルテン」、白浜町にある「白浜町第一・第二ITビジネスオフィス」など、ワーキングスペースも充実している。三菱地所〔株〕は、日本初のワーケーションオフィスを白浜町に開設する予定だ。

 〔株〕セールスフォース・ドットコムやNECソリューションイノベータ〔株〕、〔株〕ブイキューブなどのIT企業が白浜町にサテライトオフィスを開設した他、クオリティソフト〔株〕が白浜町に本社を移転するなど、IT企業の集積も始まっている。それに伴い、顔認証システムやキャッシュレス決済システムなど、同町で行なわれるICTの実証実験も増えている。

 温暖な気候や温泉、海、世界遺産である熊野古道など、観光資源にも恵まれている南紀。羽田空港から南紀白浜空港までは、約1時間のフライトだ。東京を離れて、楽しみながら仕事をし、学ぶことで、イノベーションを生み出すことを目指す。

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