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急成長中の漫画アプリ『ピッコマ』が目指す「紙とデジタルが共存する生態系」

2019年05月27日 公開

THE21編集部

「漫画を日常的に読む人を増やすことが、業界全体を活性化させる」

 

 5月23日(木)、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ(東京都港区)にて、昨年に続いて2回目となる「ピッコマものがたり」が開催され、〔株〕カカオジャパン社長・金在龍(キム・ジェヨン)氏が同社の漫画アプリ『ピッコマ』の事業戦略を日本語で発表した。金氏が話した内容をお伝えする。

 

月間売上げ200円からの「漫画のような」急成長

 

 こんにちは。カカオジャパンの金在龍です。「ピッコマものがたり2019」に、本日、お越しいただき、ありがとうございます。「ピッコマものがたり」は2年目になるんですけれども、非常に緊張しています。

 

 

 待っている間に「今日の運勢」というメッセージが飛んできて、読んでみたら星5つ。「奇抜なアイデアが浮かびやすく、仲間から注目されます」というメッセージを見て、今はちょっと緊張がほぐれています。LINE占いさん、ありがとうございます。勇気をいただきました。

 では、ここから本格的に「ピッコマものがたり」の話をしたいと思います。

 まず、これ(スクリーンに映った言葉)は私が個人的に好きな言葉です。「物語はここから始まるのだ」。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、手塚(治虫)先生の言葉です。私はこの言葉を見るたびに、何かの希望、また何かのスタートを感じて、非常に好きです。

 ムロツヨシさんがオープニングムービーで(出席者に配られた)眼鏡の話をして、眼鏡をかけられている方も(出席者の中に)いるんですけれども、この眼鏡は、このプレゼンテーションを進めるうえで、かけてもかけなくても、実は問題はないです(笑)。なぜ眼鏡を準備したかという想いを、皆さんに紹介したいと思います。

 ムロツヨシさんが出られているテレビCMでよく見た眼鏡だと思うんですけれども、私たちはこれを「PICCOMA VIEW」だと思っています。この業界を、また作品を、またこの世の中を、どんな目線から見ているかということによって、世の中は変わっていくんじゃないかと思っていて、私たちが思っている目線、価値観、理念といったところをテーマにするために、眼鏡を準備しました。

 この眼鏡は、実際、3Dプリンターで1個ずつ作ったもので、ブルーレイカット33%、またUVは99%カットということで、皆さんがスマートフォンとかPCを使うときに便利に使っていただきたいと思います。

(今日のプレゼンテーションの)目次なんですけど、今日は3話まで準備しました。

 まず1話目は「波瀾万丈の3年間」。本当に言葉通りに波瀾万丈でした。

 ピッコマは2016年4月20日にサービスをスタートしたので、今日でちょうど3年1カ月3日目になります。他社のアプリに比べると2~3年遅れてスタートして、去年も少し説明したことではあるんですけれども、1カ月間はiOSで売上げ200円、Androidで0円という厳しいスタートをしました。(「待てば\0」という)新しいビジネスモデルに対する作品の許諾がなかなか得られない状況が続き、3カ月間は非常に厳しかったです。

 今も思い出すのは、私がカカオジャパンに合流した当時、社員数は17名でした。私たちはサービス使用の状況を見るために同時接続者のデータも見るのですけれども、ある日は同時接続者が15人でした。私はそのキャプチャを今も持っています。その瞬間、私はiPhone1台、Android1台の2台を接続していましたから、世の中の人たちはまだ私たちのサービスを使っていない状況でした。

 16年までは、曽田(正人)先生の『テンプリズム』が初めての「待てば¥0」の作品として導入されてから、コツコツ、1作品1作品、導入しながら、私たちは成長してきました。

 17年になると、売上げは20.9倍、閲覧者数は13倍くらい成長しました。さらに18年になると、17年と比較して売上げは2.7倍、閲覧者数は2.2倍に成長しています。

 この成長に対して、あるメディアの方に、「漫画みたいな成長の仕方」というタイトルで記事を書いていただいたことがあります。私たちは「漫画みたいな成長」をしたいという理念を持って、今まで続けてきました。

 直近の19年のデータまでお見せすると、閲覧者数は今も右肩上がりで上がっています。売上げも伸びているところで、去年、ここで1回目の「ピッコマものがたり」をしたのが4月だったんですけれども、その去年4月と今年4月を比較してみると2.7倍。閲覧者数は1.6倍に成長しています。

 次は、ピッコマの四半期の売上げの状況です。去年の年末から、また成長の速度が速くなって、今年1~3月の1Qの売上げは前年対比273%、前期対比132%の成長をしています。

 

 

 今年4月までのApp Storeでの全体売上げランキングを見ると、まず、漫画アプリが全般に右肩上がりで成長しているのがわかります。ピッコマも、17年1月の229位というところから徐々に上がって、今は19位まで上がっています。さっきも待ちながら今日のデータを見ていましたが、最近は17位、16位、また日によっては10位まで上がることもあるようになりました。

 


黄色がピッコマ

 

 次はApp Annieという会社が発表している、非ゲーム部門のアプリの1年間の売上げランキングです(2018年・日本)。ピッコマもトップ10に入って、6位にランキングされています。パブリッシャーのランキングでは、カカオジャパンは7位になりました。

 

 

 比較のため、韓国での状況も共有します。18年・韓国の場合は、Kakao Talkというメッセンジャーアプリが非常に強い媒体になっているので、それに紐づいたKakao Pageという、私たちと同様に漫画やノベル、映像を配信するサービスが2位になっています。パブリッシャーとしてもKakaoが1位です。LINEさんの親会社であるNAVERさんが2位、Googleが3位、Netflixが4位になっています。

 

 

 様々な数字とグラフでピッコマの成長の状況を皆さんにご報告したのですが、この成長の原動力はなんだったんでしょうか。

 もちろん私たちは、新しいビジネスモデル、また新しい運営のやり方、マーケティングなど、いろんな部分を仲間たちと一緒にやっているんですけれども、原動力の最も大きな中心は、作品だと思います。

 コンテンツビジネスのプラットフォームで一番主役になって、成長を牽引するのは、作品だと思っています。その一つの証拠として、去年、この場所で私がプレゼンテーションをしたとき、私たちがピッコマの中でサービスしていた作品の数は約2,200でした。現状では約6,700作品を販売していまして、1年で3.1倍ほど増えています。

 

 

 他社のアプリには6万作品、7万作品というところがあるので、作品の数としてはまだ少ないかもしれないんですけれども、私はポジティブなところがあるので、一番主役である、また成長を牽引してくれる作品が、まだまだこれからたくさん入れるということは、これからもピッコマが成長する希望なんじゃないかなと思っています。

 今、ピッコマの中にある6,727作品の中で、97%が版面漫画になっています。そして、縦読みのWEBTOONという作品が165作品で2.5%の比率です。

 

 

 ピッコマの中ではどんなジャンルの作品が、現状、読まれて売れているのかということを気にされている方もいるので、その部分も発表します。

 2018年の4月と今年の4月を比べてみると、比率が一番高いのは、2018年の場合は恋愛ジャンルでした。全体の37.3%。その次がドラマ、続いてホラー・ミステリ、アクション、ファンタジー、スポーツ、裏社会・アングラ、グルメ、日常の順になりました。

 今年を見ると、目立つところでは、ファンタジージャンルが非常に伸びていることがわかります。相変わらず1位は恋愛ジャンルで25.3%。次がファンタジーで23.3%。ドラマが19.1%、という順番になっています。

 

 

 私たちには、ジャンルをより幅広く、バランスよく読んでいただきたいという考えがあるので、その観点から、別の指標でも分析をしています。

 気づいている方もいらっしゃるかもしれませんが、先ほどお見せしたのはジャンルのトータルの売上げですから、ジャンルによって作品の数が違います。そこで、ジャンルごとに1作品平均の売上げを出してみました。

 すると、ジャンル全体としては恋愛が1番でしたが、2018年4月、今年4月とも、平均としてはアクションジャンルが1番の売上げを出しているという結果になっています。今年に入るとファンタジージャンルが非常に伸びています。

 先ほどの全体の売上げでは裏社会・アングラジャンルはかなり下位にありましたが、作品の数が少ないので、1作品の売上げとしては高くなっています。

 

 

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