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ソリューション型営業はもう古い!

2019年06月25日 公開
2023年03月02日 更新

高橋研(アルヴァスデザイン代表取締役CVO)

営業の仕事は、顧客が目指すビジョン実現の支援に変わる

 

「AIの進化によって、営業職はなくなる」。そう言われることがあるが、「なくなることはない」と、営業研修などを行なう高橋研氏は話す。ただし、現在、主流となっている課題解決型営業(ソリューション営業)では生き残れないとも言う。では、どんな営業職が、これからの時代を生き抜けるのか?

 

営業職は、数は減っても必要とされ続ける

 オックスフォード大学でAIの研究に携わるマイケル・オズボーン准教授とカール・フレイ博士は、2013年に書いた『雇用の未来』で、米国の総雇用者の47%の仕事が、今後10~20年でAIによって自動化されると論じ、世界に衝撃を与えました。

 この論文によると、AIの進化によって消える仕事の中には、訪問販売員も含まれています。

 確かに、単純な営業活動はAIによって取って代わられ、世の中の営業職の人数は減るでしょう。

 しかし、営業職がなくなることはないと、私は考えています。まだまだ人間にしかできない営業活動が残されているからです。

 私に営業職の素晴らしさと可能性について気づかせてくれたのは、新卒で入社したファンケルの池森賢二社長(当時)の言葉でした。

「未来永劫続く事業はなく、会社は常に倒産に向かっている。だからこそ、新しいチャレンジをしなければならない。そこで重要になるのが、世の中の情報に対する感度を上げること。情報は、お取引先の優秀な営業担当者が持ってきてくれる」

 これはAI時代でも変わりません。生き残れる営業は、お客様に対して、新しい情報や付加価値を提供できる人なのです。

 

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営業の付加価値は時代によって変わる >

著者紹介

高橋 研(たかはし・けん)

〔株〕アルヴァスデザイン代表取締役CVO

1974年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了後、〔株〕ファンケルに入社し、製品開発およびマーケティング業務に携わる。2004年、〔株〕ア・キューブに入社。06年にエム・アイ・アソシエイツ〔株〕へ移ると、自社の営業活動とともに、研修講師やコンサルティング業務も兼務しながら、約2万名の営業人材開発に関わる。13年、〔株〕アルヴァスデザインを創業。年間約500回の営業研修や営業プロジェクトに携わる。著書に『AIに駆逐されない営業力 実践!インサイトセールス』(プレジデント社)がある。

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