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「現場の声を徹底的に聞く」それが、企業の真の強みとなる

2019年06月10日 公開

《PR》提供:オリジナル設計株式会社

オリジナル設計
 

オリジナル設計が実践する 「本当に効果のある」 働き方改革とは?

上下水道の調査、設計、施工監理を中心とした事業を手がけるオリジナル設計は、知る人ぞ知る「働き方改革先進企業」だ。大幅な時短と業績改善を両立させるとともに、社長の菅伸彦氏自らが「最高健康責任者」として、社員の健康にまで目を配る。その「人」にこだわる経営について、松下幸之助研究の第一人者・佐藤悌二郎氏と対談してもらった。
 

菅 伸彦
オリジナル設計株式会社代表取締役社長

1967年、茨城県生まれ。早稲田大学卒業後、証券会社を経て、92年オリジナル設計に入社。主に技術部門にて活躍。2004~07年米国留学(サンフランシスコ大学大学院卒)。その後は技術部門に加え、企画業務や海外業務支援など幅広く手がける。12年に社長就任。業績不振が続いていた同社の改革に着手し、13年には黒字転換を実現。その後も5期連続での増収を実現している。全国上下水道コンサルタント協会副会長兼関東支部長も務める。技術士(総合技術監理部門・上下水道部門)。

佐藤悌二郎
株式会社PHP研究所客員
1980年、慶應義塾大学卒業後、PHP研究所に入社。研究員としてPHP理念および松下幸之助の経営観の研究に従事するかたわら、関連書籍、カセットテープ集などの原稿執筆、編集、制作に携わる。その間、松下幸之助所長を中心としたPHP理念研究会に出席し、PHP理念をまとめる作業を行なう。『松下幸之助発言集』(全45巻)編纂グループの主担当として、93年2月に完成させる。2014年12月専務取締役。19年1月から現職。西武文理大学特命教授、企業家研究フォーラム理事。 

 

45歳で「10期連続」の実質赤字に挑む

佐藤 社長に就任された2012年当時、御社は非常に厳しい状態にあったそうですね。

菅 はい。直近の10期について、黒字だったのはわずか2期。それも、リストラ効果でなんとか黒字というだけで、実質赤字状態でした。誰もが改革の必要性を感じていながら、当時のトップ同士の確執もあり、なかなか動くことができなかったのです。
ただ、経営権の委譲という話もあり、「自分たちの会社を守りたい」という一心から、臨時株主総会による委任状争奪戦で多くの株主の賛成を得て、新たな取締役会を通じて改革をスタートさせたのです。

佐藤 そんな中、45歳で社長に就任。かなり若い年齢での就任だったとか。

菅 当時の社員の平均年齢がそのくらいでしたから、ほぼ半数の社員が年上という状況でした。当初は年配の社員が社長に就く予定だったのですが、その方が辞退したことで急遽、私に役目が回ってきたのです。いずれは経営者にとは思っていましたが、まだ先だと思っていたので、正直、驚きました。

佐藤 就任されて最初になさったことは?

菅 以前から、トップと現場との距離感を感じていました。そこでまず、全国の主要拠点をくまなく回り、自分が会社をどうしていきたいのかという思いを直接伝えるとともに、現場の社員の声を聞いて回ったのです。

佐藤 トップが自らの思いを直接、自分の言葉で伝えることは非常に重要です。松下幸之助もあらゆる機会を通じ、自分の考えを直接伝えることを常に意識していました。

菅 私は経営に携わるにあたり、多くの先輩経営者の本を読みましたが、その中で共通していたのが、「いくら立派な経営戦略を立てても、伝わらなければ意味がない」ということでした。
そのためには直接伝えることはもちろん、伝え方の工夫も必要だと考えています。

佐藤 「言えばわかるだろう」では伝わらないということですね。相手によって伝え方を変えたり、使う言葉を変えたりする必要もあります。それも、一度伝えただけでは不十分で、あらゆる方法を用いて語り続けることが大事だと思います。

菅 はい。その意味で、社員の声を聞く「意見交換会」は今でも続けており、常に全国の拠点を飛び回っています。
 

「一人ひとりが経営者」で利益率を大幅に改善

佐藤 経営改善を進めるに当たり、具体的にどんなことを社員に伝えられたのでしょうか。

菅 いくつかありますが、一つは売上至上主義から営業利益を意識した仕事をしてほしい、ということでした。我々の仕事は受注時に決まった予算内で行なうことが求められるため、時間や経費をかければかけるほど、利益が減少します。ただ、当時は売上を求めるあまり、生産体制にそぐわない仕事を受注し、想定以上のコストがかかって利益が圧迫される、という案件がしばしば発生していました。
そこで、一人ひとりが経営者意識を持ち、どうやったら利益を出せるかを考えてほしいと訴えたのです。

佐藤 まさに幸之助が言うところの「社員稼業」ですね。一人ひとりが経営者であるという意識を持ち、自分の仕事に取り組めば、その会社は非常に強くなります。具体的には、どんな変化があったのですか。

菅 例えば以前は、連携が必要な土木、建築、機械、電気などの専門職種間の連携不足により、手待ちや行き違いが頻発していました。そこで、社内で「情報共有の徹底」を説くことで、徐々に設計情報の共有意識が高まり、スピーディな意思決定も進み、手戻りや打ち合わせ回数を減少できました。
こうした非効率なことを一人ひとりが見直すことで、品質を確保したうえで大幅なコスト削減が実現。その結果、翌年には黒字化を達成できました。
 

「ガラス張り」が社員のやる気を高める

 佐藤 長年の赤字体質を見事に立て直したわけですね。ただ、経営者意識を社員に持ってもらうことは、非常に難しいことでもあります。菅社長はどのような工夫をされたのですか。

菅 一つは「見える化」です。特に若手社員は、経営者意識を持てと言ってもなかなか具体的にイメージしにくいものです。
そこで毎月、経理部が予算や実績、経費などをグラフでわかりやすく理解できる資料を作り、誰もが目にする場所に貼り出す、といった施策を取っています。

佐藤 経営状況を隠さず見せることは、社員の自主性を引き出すうえで非常に重要です。幸之助もまだ従業員が10人くらいしかいないときから、経営状況を隠さずに示していました。自分たちの努力がどんな形で実ったかを知ってもらうことが、従業員に対する礼儀であり、経営者の責任だと考えていたのです。

菅 確かに、弊社も黒字化により自らの行動の成果が見えたことで、さらに高い意識で仕事をしてくれるようになりました。

佐藤 まさに「ガラス張り経営」ですね。経営状況をすべてガラス張りにすることで、社員は会社の数字を自分のこととして捉え、責任を持って仕事に取り組むようになる。

菅 ちなみに私は自分の行動も「ガラス張り」にしています。毎年100カ所以上全国の自治体を回っていますが、出張先で写真を撮りアップすることで、日々何をしているか、誰でもわかるようにしているのです。

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