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中国の「一帯一路」構想は 帝国主義の再来か

2019年06月26日 公開

茂木 誠(駿台予備学校世界史科講師)

日本人が知らない「国際ニュースの核心」

激動の国際情勢を、一段深く理解したい。そのためには、世界史の知識が欠かせない。この連載では、世界史を大きなストーリーとして捉える見方でおなじみのカリスマ塾講師・茂木誠氏が、現在の国際情勢の歴史的背景を、キーワードで解説する。

 

「ソ連(ロシア)の孤立」で成り立ってきた米中蜜月

 米中対立の長期化が懸念されています。しかし両国は昔から仲が悪かったわけではありません。中国を植民地支配しようとした西欧列強や日本とは違い、一度も中国を侵略しなかった唯一の大国がアメリカなのです。

 

 ただ一度だけ、中国がアメリカと敵対関係になったことがあります。1949年に中国が共産化し、朝鮮戦争で北朝鮮側についたときです。朝鮮戦争が休戦した後も、米ソ冷戦による共産圏(ソ連・中国・北朝鮮)との緊張状態は続き、ベトナム戦争を引き起こします。

 ところが72年、ニクソン大統領が北京の毛沢東を訪問したことで、米中関係は劇的に改善されます。当時、ニクソン大統領は、ベトナム戦争の泥沼化に苦しんでいました。共産主義の拡大を招く懸念から、引くに引けない状況だったのです。

 一方で、長大な国境線を共有するソ連と中国は、領土問題という火種を抱えていました。

 そこでニクソン大統領は、米中が結ぶことでソ連を孤立させようと画策しました。米中和解の最大の狙いは、中国とソ連の間に楔を打ち込み、ソ連をけん制することにあったのです。

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米国の支援で力を蓄えた中国が米国に挑戦する! >



著者紹介

茂木 誠(もぎ・まこと)

駿台予備学校世界史科講師

東京都出身。駿台予備学校やネット配信のN予備校にて世界史の講師として多数の受験生を指導している。受験の参考書のほか、『経済は世界史から学べ!』(ダイヤモンド社)『マンガでわかる地政学』(池田書店)『ニュースの〝なぜ?″は世界史に学べ』(SB新書)『世界史につなげて学べ 超日本史』など著書多数。

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