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【今週の「気になる本」】『「最前線の映画」を読む』

2019年07月01日 公開

町山智浩/集英社インターナショナルe新書

深堀りしたい映画好きのための本

私は映画が好きだ。特に最近好きなのが、2017年に日本で公開された『ラ・ラ・ランド』という映画だ。

内容は、自分のジャズクラブの店を開くことを夢見ているジャズピアニストの男性と俳優を夢見る女性の恋愛と、現実と理想の間での葛藤を歌と踊りで描いたミュージカル映画だ。

アカデミー賞を受賞した作品なので知っている方も多いだろう。

正直に言うと、最初に観に行ったときは、中盤で少し眠ってしまった。しかし、起きてすぐに物語と美しい音楽にのめり込み、心が震えたので、眠っていたのではなく、あれは失神していただけなのかもしれない。

1度目を観てから、1週間も経たないうちに2回目を、3週間もしないうちに3回目を観て、レンタルが始まってからも家で何度も観てしまった。

なぜか、ふと観たくなる。そんな映画になってしまったのだ。

なぜ何度も観たくなってしまうのか、それを知りたくて手に取ったのが本書だった。

本書は、映画評論界では有名な著者が、20作の作品を挙げ、それぞれについて考察しており、その中の一つに『ラ・ラ・ランド』が入っていた。

読み進めていくと、映画の監督が実際にインタビューで発した発言を引用している部分もあり、映画を観てから読むと、非常に納得する部分が多い。

映画のネタバレになってしまうので、詳しくは書けないが、監督が参考にしていた映画のシーンや物語の本当のテーマ、なぜミュージカル映画にしたのかなど、作品の根幹にかかわる部分も詳しく説明してくれている。

読んでみて、なぜ自分が何度も観てしまったのかということの答えが見つかった気がした。

それは非常に幼稚かつ抽象的な言い方だが、監督がめちゃくちゃ映画を観て研究していて、それをマニアックにならず、大衆受けするようにめちゃくちゃ工夫してアウトプットしているということに尽きる。

映画を観て、「おもしろかった」で終わりたくない、もう少し考えてみたいという方にはお勧めの1冊だ。

執筆.N/I(THE21編集部)



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