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医学博士号&MBAを持つ医師が教える「戦略的疲労予防習慣」

2019年07月31日 公開
2023年03月02日 更新

猪俣武範(医学博士)

 

ドライアイになっていないかセルフチェックを

 

 人間が感知する全情報のうち、8~9割を視覚情報が占めていますから、目の疲れは業務効率に大きく影響します。中でも注意したいのが、ドライアイ。現在、日本には該当者が約2,000万人もいて、自分では気づいていない「隠れドライアイ」の人も多数います。自分がそうでないか、セルフチェックをしてください。方法は簡単です。「12秒、瞬きが我慢できるかどうか」を試して、できなければドライアイの可能性大です。

 

パソコンの画面は「伏し目」で見る

 長時間のパソコン作業はドライアイの原因に。1時間作業をしたら15分休むのが理想です。また、「伏し目」にすることで、目の乾きを防げます。画面は目から40cm離し、うつむき加減で見られる角度に調整を。顔に冷房の当たらない場所に座ることも大切です。人間は何かを注視すると瞬きが減り、そのぶん、目も乾きがちになりますから、画面に向かうときは意識的に瞬きの回数を増やしましょう。

 

眼鏡とマスクのダブルで眼を守る

 眼鏡をかけると、目の周辺の湿度を保つ効果があります。普段眼鏡をしない人なら、市販の「ドライアイ用眼鏡」を使うのもいいでしょう。眼鏡とマスクを同時に使うと、さらに効果アリ。マスクをすると、鼻の両脇の隙間から暖かく湿った呼気が上に漏れてきて、目の周辺に湿った空気をキープできます。冷房を強く効かせる夏はもちろん、乾燥しやすい秋冬にもお勧めです。

 

週に1度は「休眼日」を設ける

 ドライアイや老眼を引き起こす眼精疲労の対策としては、まず、室内の照度を300ルクス以上にすること。パソコンの画面の明るさは500ルクス以下が理想です。次いで、週末の1日をスマホやパソコンの使用を控える「休眼日」にしましょう。身体だけでなく、目にも休日が必要です。

 

手軽な「イワシチップス」で血液サラサラに!

 ビジネスパーソンが「疲れないための食事」を手軽に摂るなら、コンビニを活用するのが一番です。陳列されている多種多様な食べ物の中から、「この栄養素ならこの食品」という知識を持っておきましょう。例えば、血液サラサラ&脳の疲労回復機能を持つDHA・EPAを摂るなら、サバの塩焼き、サンマの蒲焼き、「イワシチップス」などがお勧めです。

 

サケのおにぎりでセロトニンを補給

 セロトニンは心身を安定させる「リラックスホルモン」。この分泌を促す食材は、おにぎりコーナーで選べます。サケにはビタミンB6が含まれており、セロトニンの合成を促進するので最適。納豆も同じくセロトニン分泌を促進します。おにぎりの他、納豆巻きもいいですし、お寿司なら漬けマグロやネギトロ、サーモンを選びましょう。おでんコーナーにある牛すじやがんもでも、セロトニンを補給できます。

 

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著者紹介

猪俣武範(いのまた・たけのり)

医学博士

1981年、千葉県生まれ。茨城県育ち。2006年、順天堂大学医学部医学科卒業。08年、東京大学医学部附属病院初期臨床研修医修了。12年、順天堂大学大学院医学研究科眼科学にて医学博士号ならびに眼科専門医取得。12年からハーバード大学医学部眼科スケペンス眼研究所へ留学。留学中にはボストン大学経営学部Questrom School of BusinessでMBA取得。15年より順天堂大学医学部附属順天堂医院眼科助教、16年4月より病院機能管理室兼務、同年11月より戦略的手術室改善マネジメント講座助教を併任。日本の医療従事者の海外留学を支援する(一社)JGMS(Japan Global Medical Career Support)を設立。16年に(一社)IoMT(Internet of Medical Things)学会を設立し、代表理事を務める。趣味は硬式テニス。著書に『目標を次々に達成する人の最強の勉強法』『働く人のための 最強の休息法』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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