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「自分はできる!」と脳を騙して、資格試験に合格するマインドに

2019年08月29日 公開
2023年02月24日 更新

西田一見(メンタルトレーナー&目標達成ナビゲーター)

子供の頃のテストの記憶が勉強の邪魔をしている!

 

 資格試験に合格するためには、「自分は合格できる」と思って勉強することが大切だ。とはいっても、難関試験の場合は、なかなかそうもいかないだろう。しかし、メンタルトレーナーの西田一見氏は、誰でも「脳を騙す」ことでプラス思考に切り替えられると言う。

 

合否のカギを握るのは脳の思考習慣

 合格できるか否かは、頭の良さや勉強時間、学習法などで決まると考えている人が多いでしょう。しかし実際は、「自分はできる」と思えるかどうかが合否のカギを握っています。

「自分にはできない」「どうせムリだ」と考えていたら自信を喪失し、勉強のモチベーションも上がらず、途中で挫折しやすくなります。合格したいなら、「自分はこの資格を取れる!」という前提で勉強を始めることが何より重要です。

「できない」「ムリ」と考えてしまうのは、脳がマイナスの思考習慣に陥っているからです。

 人間の脳は過去の体験をすべて覚えています。特に感情を伴った記憶は長期的に覚えているため、「子供の頃にテストで悪い点を取ったら、親に叱られて悲しかった」といった体験があると、「勉強=嫌い・苦手」と条件づけされた記憶がずっと脳に残り続けます。だから、大人になっても、「勉強しよう」と考えると脳が自動的に「イヤだ」「できない」と反応してしまうのです。

 よって、資格試験に合格したいなら、まずは思考習慣をマイナスからプラスに切り替えること。どうするかと言えば、脳を騙せばいいのです。「勉強=嫌い・苦手」と条件づけされているなら、「勉強=好き・楽しい」という感情を伴った記憶に塗り替えればいいわけです。

 

本当の目的は合格の先にある

 脳を切り替える方法は、主に三つあります。

 一つ目の方法は、「イメージを変える」です。具体的には、「資格を取得して、自分はどうなりたいのか」を考え、ワクワクするような将来のイメージをできるだけ詳細に思い描きます。

 多くの人は、資格試験に合格することを目的とします。しかし、「会社から資格を取れと言われたから」といった理由で仕方なく勉強しても、結局、「勉強=嫌い・苦手」という条件づけは変わりません。

 一方、資格試験に合格した先にある「自分の人生をどうしたいのか」という本質的な目的を見つければ、勉強の条件づけがガラリと変わります。「資格試験に合格して周囲から尊敬されている自分」「資格を活かしてトップセールスになった自分」といったイメージがあれば、資格試験のための勉強が「自分をワクワクする未来に近づけてくれる楽しい作業」に変わり、脳も「勉強=好き・楽しい」と思い込んでくれるのです。

 イメージは、紙に書き出すと、より具体化します。お勧めは、自分の目標を登山にたとえてイメージを書き込む「アプローチシート」を作ること。山の裾野から頂上まで五つの番号を振り、それぞれの地点にいるつもりで、その時点の自分をイメージします。具体的な方法は下の図を参考にしてください。

 

 

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著者紹介

西田一見(にしだ・はつみ)

メンタルトレーナー&目標達成ナビゲーター

1973年生まれ。サンリ能力開発研究所にて大脳生理学と心理学に基づくメンタルトレーニングの研究を始め、脳の機能にアプローチする潜在能力開発プログラム「SBT(スーパーブレイントレーニング)理論」を指導。様々な心理分析データから夢・目標達成をサポートする「目標達成ナビゲーター」として、講演・講習などで数百万人もの指導実績を持つ。著書に『一流になる勉強法』(現代書林)など。〔株〕サンリ代表取締役社長。

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