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役所代わりのネットカフェで、ジンバブエ人にされる(ケニア)

2019年08月08日 公開

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(45)石澤義裕(デザイナー)

小さなことも、大きなことも気にしない国、ケニア


登校中の女子高生。おやつはサトウキビです。

1月下旬、タクシーに乗っていたら交通事故に遭ったウガンダです。

妻が大怪我を負い、一時帰国していました。

たっぷり養生してでっぷりと太ったのでウガンダに戻り、ケニアのキャンプ場を転々としています。

 

先日、税務署のような役所へ行って来ました。

車の一時輸入許可証の延長です。

たかが書類を一枚もらうだけのことですが、そこはそれアフリカ。

一筋縄ではいかないあたりに、人類発祥の地でありながら地球最後の開拓地になってしまった感が滲み出ていますが、日本の学校では決して教えてくれない、生きるうえで大切なことを教えてくれました。

言葉ではなく、態度で。

あえて言葉にすると、

「小さなことは気にしない!」

このフレーズだけでは、毎月発刊される有象無象の自己啓発書と変わりませんが、そこはそれアフリカ。次の言葉が続きます。

「たとえそれが大きなことでも」

つまり大ベストセラー作家リチャード・カールソンの『しょせん、すべては小さなこと』のパクリみたいなものですが、ケニア版は違います。

「しょせん、すべてはどうでもいいこと」

なのです。

 

その親切がアダになる

役所の女性職員に、書類について尋ねました。

「車の書類? それは残念ね、このビルじゃないのよ」

「バイパスをずーっと行った、町外れの建物なの」

ずいぶんと不便なところに出張所を建てたものだと車を飛ばして遠路はるばる訪ねると、職員いわく、

「車の書類? ここじゃないよ、街中!」

ここだって言うからわざわざ来たのに、ここじゃないとはどういうことね!?

ムキーっとなりましたが、落ち着け我輩。

たかが場所を間違っただけじゃないか、小さなこと小さなこと。

スマホを職員に手渡して地図アプリを開き、どこへ行けばいいですかね?

「どれどれ、貸してごらん」

あの建物はね、えーと、この道を行くとあの道になって、あれがあるからここになにがあって、えーと、こっちじゃないとしたらあっちかもしれないし……。

いつまでたっても地図アプリをいじくるだけの職員の泳いだ視線に、本当は知らないんだよね、えへへへ……の文字が。

知らないことでも教えてくれようとする無駄な親切にこめかみが切れそうになりましたが、小さなこと小さなこと、気にしない気にしない、南無阿弥陀仏になんまいだぶ。

必死に呪文を唱えて、お礼を言います。

もう、けっこうですっ!

 

一事が万事この調子のケニアです。

ナニを訊いてもテキトーな受け答えをするので、その都度、我輩の小さな胸はグツグツっと煮えたぎって爆発寸前。絶叫しながらバットを振りたくなる日々です。

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ネットカフェが税務署代わり!? >



著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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