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LGBTも働きやすい職場は、どうやって作ればいいのか?

2019年08月30日 公開

THE21編集部

新経済連盟がfreeeで理解促進セミナーを開催


左から、新経済連盟幹事(〔株〕ホットリンク会長)・内山幸樹氏、freee〔株〕ダイバーシティ推進室長・吉村美音氏、Allies Connect代表・東由紀氏

 

 ダイバーシティの重要性が叫ばれる中、LGBTにも注目が集まっている。しかし、LGBTの人たちも存分に能力を発揮できる職場とは、どのような職場なのか、具体的なイメージが湧かない人は多いのではないだろうか。8月28日(水)、freee〔株〕(東京都品川区)にて、新経済連盟が主催する「LGBT等性的マイノリティへの理解促進」セミナーが行なわれた。

 

 セミナーに登壇したのは、freeeでダイバーシティ推進室長を務める吉村美音氏、「アライ」(LGBTを理解し、支援する人)としての活動を長く続けている東(ひがし)由紀氏と、進行役の新経済連盟幹事・内山幸樹氏。

 クラウド会計ソフトの開発・運営を行なっているfreeeは2018年2月にダイバーシティ推進室を設置し、セクシュアル・マイノリティへの取り組みの評価指標である「PRIDE指標」で2年連続「ゴールド」を獲得している。

 まず、ダイバーシティが企業経営にとって重要な理由として、吉村氏が挙げたのは2点。意思決定者にとっては、自分と違う視点からの意見を得られること。従業員にとっては、心理的安全性が高まることだ。心理的安全性が高いと生産性も高まる。

 東氏によると、共通のバックグラウンドがない社員が集まると暗黙知がなくなるので、発言のスピードが上がって、ブレストも活発になり、新しい意見がどんどん出るようになるという。また、ダイバーシティの高い組織であることを社外にアピールすることは、優秀な人材を採用するチャンスを逸しないことにつながるとした。

 そして吉村氏は、ダイバーシティの中でも、性的指向や性自認については周囲から見えにくく、本人も表現しにくいという特徴を指摘。例えば、仲を深めたいと思って同僚にプライベートの話を聞くことは、よくあるだろう。すると、自然とパートナーについても話がおよぶことがある。その相手がカミングアウトをしていない同性愛者だった場合、パートナーの性別を実際とは変えて話をすることになり、嘘をついていることに心苦しさを覚える。仲良くなってから、「今さら言い出せない」と良心の呵責を覚えることもあるという。その結果、退職に至るケースもある。

 東氏によると、会社としてできるLGBTへの対応としては、まず制度の整備がある。例えば福利厚生にしても、異性で法的に入籍している配偶者は使えても、同性のパートナーは使えないケースが多い。そして、トイレなどのハードの運用。性自認が身体的性と違う場合は「どこでもトイレ」を使うことにしている事例や、「どこでもトイレ」がないため、本人が使いたいほうを使うようにしている事例を紹介した。

 こうした施策を行なううえでは、やはり社員の理解の促進が不可欠だ。トイレなどの運用にしても、違和感を覚えることがあれば連絡をする窓口を設けて周知することで、説明を丁寧にしたり、ルールの悪用を防止したりすることができるという。

 カミングアウトを受けた場合も、特定の社員にだけ知ってもらいたいと思っているのか、他の社員にも知ってもらいたいのか、きちんとゾーニングを確認することが重要だと、東氏は説明。また吉村氏は、配慮を求めてカミングアウトをする人もいれば、自分の心を軽くするためにカミングアウトをする人もいて、どうしてほしいのかは人それぞれだと話した。

 両氏ともに強調したのは、LGBTの話題をアンタッチャブルにしないでほしいということだ。「LGBTのセミナーに行ってみて、こう思った」という話でもいいので、職場で共有してほしいという。

 また、freeeも含めて多くの企業が行なっている取り組みとして、アライであることを示すステッカーを社員に配り、目につく場所に貼ってもらうことも紹介された。吉村氏は、「ステッカーは格好良いことが大切。格好良くないと、それが理由でつけてくれない人がいるので」とアドバイス。東氏は、「『専門的な知識のない自分なんかがつけていいんですか』とよく聞かれるが、躊躇わないでほしい。『わからないこともあるので、不適切なことをしたら指摘してほしい』と言っておけばいい」と話した。



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