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売れる営業マンが、売れる営業マンを育てられない根本的な理由

2019年11月27日 公開

渡瀬謙(サイレントセールストレーナー)

無意識で行っていることは教えようがない

 

 かつては成績優秀だった営業マンが、次第に部下を教えるリーダーの立場に変わることはごく普通のこと。もちろん、過去の栄光をそのままに、指導者としても優秀な人も大勢いるだろう。ただその一方で、部下指導では思っていたような成果が出ずに悩んでいる人もいる。じつはそのような人のなかには、過去にトップ営業の称号を持っていた人が多い。いったい、なぜなのか?

※本稿は、渡瀬謙著『トップ営業を生み出す 最強の教え方』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

 

売るのが上手な人ほど教えるのが下手!?

「なぜだ、こんなはずではなかったのに……」

 はっきりいって自信はあった。現役時代は売れていてトップ営業になったこともあった。その実績を買われて課長にまでなった。売り方はわかっているつもりだ。

 しかし、なぜか部下が育たない。自分が知っていることは出し惜しみすることなく100%伝えてきた。売れずに悩んでいるメンバーには親身になって相談に乗っている。同行営業をしながら手取り足取り教えても、結果が出ない。自分の教え方が悪いのか、それとも部下が営業に向いてないのか? いずれにしてもこれ以上どうやって教えたらいいんだ!

 スポーツの世界でよくいわれている「名選手は名監督にあらず」というのは、ビジネスの世界でも同じことがいえます。現役時代は天才と呼ばれた人でも、指導者の立場になると期待外れの結果しか出せないタイプ。

 その原因のひとつが「無意識」の行動です。どんなに優秀な人でも、自分が無意識にやっていることは人に伝えられません。それがどれほど大切なことだとしても、自覚していないものは教えようがないからです。

 そもそも天才というのは、自分の感覚で自然に正しい行動ができる人のことです。新人のうちからバンバン売ってくる営業マンは、人に教わる前から正しい売り方ができてしまっているのです。まわりから見るとどうやって売っているのかわからないし、当人でさえもなぜ売れるのか説明ができません。むしろ、「なぜみんなは売れないんだろう?」などと首をかしげていたりします。ちなみに天才度が高い人ほど、無意識エリアが広いといえます。

 そうして、説明がつかずに結果を出す人を「あいつは天才だから」という言葉で納得しようとしているのが実際のところです。

 

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無意識を見える化すれば「売れる理由」が明確になる >



著者紹介

渡瀬 謙(わたせ・けん)

サイレントセールストレーナー

〔有〕ピクトワークス代表取締役。〔株〕リクルート(現・〔株〕リクルートホールディングス)で異色な「無口な営業スタイル」で入社10カ月目で営業達成率全国トップになる。1994年に独立し、内向型で売れずに悩む営業マンの育成を専門に、全国でセミナーや講演などを行なう。500件以上の営業指導経験から、独自の教育法やトーク立案、営業マニュアル作成にも定評がある。『「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』(大和出版)、『本音を引き出す「3つの質問」』(日本経済新聞出版社)、『トップセールスが絶対言わない営業の言葉』(日本実業出版社)、『超一流の相手にしゃべらせる雑談術』(PHP研究所)など、著書多数。

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