佐々木俊尚 ヴァーチャルの進化が企業にもたらす変革とは

「VR」は我々の仕事や生活にどんな影響を与えうるのか。テクノロジーについて豊富な知見を持つ作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏にうかがった。
2019年12月18日 公開
自分のキャリアは自分で創り出すもの─―。終身雇用と年功序列を担保してもらう代わりに、会社命令には逆らえず縛られてきた日本のサラリーマンにはそれが難しいことになってしまっていたと、400社以上で人材育成を手がけてきた〔株〕FeelWorks代表取締役・前川孝雄氏は指摘する。組織に依存するのではなく、自分自身で自分のキャリアをコントロールできるようになれば、きっと働くことは今よりもずっと楽しくなるはず。しかし、そのためには、会社を「まだ」辞めてはいけないと言う。辞める前にやるべきこととは?
※本稿は、前川孝雄著『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHPビジネス新書)の一部を再編集したものです。
甘くなりがちな自己評価よりも、上司による客観的評価のほうが信頼度は高いものです。不当に思えても、受け入れる努力をすることが大切です。
そうは言っても、ひたすら我慢してストレスを溜め込む一方では心が折れてしまいます。では、どうしたらいいのか─―。
キャリアを積んだミドルにふさわしい方法があります。自分が起業してお客様企業に常駐していると想定するのです。あなたは経営者兼営業マンでサービスの提供者でもあり、上司は顧客。そのように頭を切り替えて、上司(顧客)の満足度を高める工夫をしてみましょう。
社内の人間関係構築も一つのビジネス。そう考えれば、上司に対して一方的に抱いていた不満も次第に解消されていきます。
顧客からクレームが来ているのに、同じ商品やサービスを提供し続ける会社の業績が上がるわけがありません。クレームの内容を検討して商品やサービス自体を見直す必要があるはずです。
「あのお客さんとは性格が合わないから、もう売りたくない」などと言っているようでは営業マン失格です。相手を好きになる努力を怠らず、性格に合わせたコミュニケーションをすることこそが営業マンの腕の見せ所でしょう。
顧客が商品の良さを理解していないなら、必要なのは「わかってくれない」というぼやきではなく、商品の良さを理解させるプレゼンテーションのはずです。
上司が評価してくれないなら、評価してもらえるようなアプローチを自分がすればいいのです。顧客である上司に自分を売り込み、認めさせるにはどうしたらいいか。そう考えることができれば、打つ手はいくらでもあります。
ここで、経営全般に関する幅広い知識などが役立ってきます。事業展開を考えるように、上司(顧客)のニーズをリサーチし、どのようにアプローチするかしっかりと戦略を立て、ニーズに合わせて商品(自分のパフォーマンス)を見直し、改善した商品がどのように上司の課題を解決できるかをプレゼンテーションする─―。
つまり、上司を顧客と見なして働くことは、単なる処世術ではなく、「強みを補強する」ことにもつながるのです。本当に起業を考えている人なら、独立後に備えた格好の予行演習になるはずです。
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年の功を活かして上司とチームの橋渡し役になる >
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ヴァーチャルないしデジタルは、ウィズコロナの社会に欠かせないものとなっています。その発展はますます、ビジネスの可能性を広げることでしょう。
2020年はまさに「コロナ」に振り回された年だった。多くの企業が危機に陥り、厳しい状況は今も続いている。だが、経営コンサルタントとして数多くの企業を指導している小宮一慶氏によれば、この厳しい状況を飛躍のバネとしている企業も多いという。
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商人には好況不況はない、何(いず)れにしても儲けねばならぬ。松下幸之助はに危機をいかにして克服してきたのか。
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