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年末にやるべきは「人づきあい」の大掃除だ

2019年12月27日 公開
2022年06月27日 更新

岡田充弘(クロネコキューブ代表取締役)

 

社外のコミュニティは厳選して入る

 リアルやネット、交流会や勉強会など、世の中にはいろいろなタイプの社外コミュニティが存在しています。そしてコミュニティのお作法や雰囲気は、それぞれ掲げられているテーマや参加する人によってまったく異なります。

 コミュニティは、新しい情報や何らかの機会が得られたり、困った時に相談に乗ってもらえるなどプラスの面も多いのですが、その反面、何も考えずに属してしまうと、場合によっては自由な選択機会や活動の時間を奪われるなど、マイナスの面もあります。

 やりたいことを全部やるには、いろんな面で取捨選択していくことが必要です。コミュニティもむやみやたらに入るのではなく、できる限り厳選して入ることです。

 コミュニティを選ぶ際のポイントは、どんな便益が得られるかも大切ですが、集まりの雰囲気や価値観が合うかどうかに注目してみるといいでしょう。せっかく入るコミュニティなので、無用な揉め事が起こらないよう、適切な距離感で、できるだけ長期的な関係が築けるのが理想です。

 ちなみに参加者の価値観は、ちょっとした言動や共同作業の中で表れてくるものです。私は、コミュニティのタイプやテーマに限らず、お金や小さな約束事にルーズそうな人が集まるところにはできるだけ参加しないようにしています。

 それから、単に寂しさを紛まぎらすために来ている人や、仕事にあまり真剣でない人たちが集まっている場にも参加しません。

 その反対に、何か一芸を持っている人たちが集まる場所や、興味のあるクリエイティブやエンターテインメントをテーマとしたコミュニティイベントには、時間がある限り足を運ぼうと思っています。また過酷と言われるトライアスロンをやめずに続けられているのは、コミュニティの仲間たちの存在が大きいと言えます。

 やりたいことを全部やるには、一人の力だけで実現するのは難しく、必ずどこかで他の人の協力や支援が必要になってきます。それだけに、入るコミュニティはしっかりと選び、そして一度選んだら、そのコミュニティの発展に貢献できるように努めましょう。

 

短期的な見返りを期待しない「貸し」を多く作る

 人との“持ちつ持たれつの関係”を表すものとして「貸し借り」という言葉がありますが、あなたはこの貸し借りが自分にどのくらいあるか、考えてみたことがありますか?

 ちなみに、ここでの貸しとは文字通り相手にしてあげたこと、借りとは相手にしてもらったこと、と考えていいでしょう。

 ここでもし「借り」のほうが多いとすれば、一見すると得のようですが、実は人との力関係を弱くしたり、頼まれ事があっても断りにくくなる、といった側面もあります。

 また、「借り」を作ることに慣れてしまうと、自ら考えることや努力をしなくなる危険性もあります。つまり、「借り」は、長期的に見た場合には、未来の自由や成長機会を制限する「負債」とも言えるのです。ちょっと意外ですよね。

 もし自分が本当に自立していたいと思うのであれば、普段から「借り」よりも「貸し」を多く作ることです。そして、貸しに対する短期的な見返りは期待しないことです。たいていは返ってこないものですし、そう思っておいたほうが気も楽だからです。

 とはいえ、無理やり大きな貸しを作ろうとする必要はありません。ちょっとした相談に乗ったり、適切な人を紹介したりするなど、今のあなたにできる範囲で十分です。

「貸し」が「借り」を上回るようになると、信頼をベースとした好循環が自然と生まれてきます。すぐにはメリットがなくても、素敵な出会いや機会があなたをグッと成長させてくれるはずです。

 

短期の損得でなく長期的な信頼感で人を選ぶ

 普段付き合う人を選ぶにあたって、気の合う人や一緒にいて楽しい人など、人それぞれいろいろな目安があると思います。

 中には、自分があまり良く思ってない人とでも、目の前の仕事のために我慢して付き合っている人もいます。それは短期間であればもつかもしれませんが、根本的な目的や価値観などの部分が違っていると、長期間にわたって関係を続けていくのは難しくなることでしょう。

 誰と付き合うかは、短期的な損得ではなく、長期的に付き合っている姿が想像できる人を選ぶとうまくいくことが多いです。金銭的な便益よりも、そこに学びや尊敬の気持ちがあるかどうかがとても重要な判断基準となります。

 いずれにせよ、誰と付き合うかは、周りに流されず自ら選ぶことが大切です。もしあなたが長期的に付き合っていきたいと思える人を見つけたら、自分から積極的に距離を縮めていきましょう。

著者紹介

岡田充弘(おかだ・みつひろ)

クロネコキューブ〔株〕代表取締役

日本電信電話、プライスウォーターハウスクーパース、マーサージャパンを経て甲南エレクトロニクス〔株〕にマネジメントディレクターとして参画。事業再編、ブランド構築、プロセス改革、ワークスタイル改革、オフィス改革など、短期間に多くの改革を実行し、創業以来の最高益を達成。カナリア〔株〕に商号変更すると同時に代表取締役に就任し、無借金化を達成。その後、謎解きイベントの企画会社クロネコキューブ〔株〕を設立し代表取締役に就任、設立5年で西日本を代表する謎解きイベント会社に成長。
また、多くの企業や団体でアドバイザーを務め、起業支援や若手人材の育成にも精力的に取り組む。
趣味はトライアスロン、固定席を持たず走りながら働く独自のラン&ワークスタイルが注目を集めている。
著書は7万部のベストセラー『超速パソコン仕事術』(かんき出版)ほか、『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)など全14冊。PRESIDENT WOMAN連載中。

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