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タブーな話題でも「話が面白い人」の超絶テク

2020年02月10日 公開
2023年02月24日 更新

渡辺龍太(放送作家、即興力養成講師)

相手のキャラがわかればタブーな話題も味方になる

渡辺龍太

今も昔も、「雑談が苦手」という悩みは尽きないもの。たとえば、「初対面で何を話していいかわからない」「話がつまらないと思われていないか不安」「とにかく沈黙が訪れるのが怖い」などなど...。

しかし、放送作家でありながら、科学的に研究されたトークメソッド「インプロ(即興力)」の養成講師として活躍する渡辺龍太氏によれば、雑談上手と雑談下手の違いは「紙一重の違い」に過ぎないと言う。

そこで今回は、そんな渡辺氏の著書『雑談がおもしろい人、つまらない人』(PHP研究所)の中から、「タブーな話題の取り扱い方」について語っていただいた。

 

タブーな話題が「一体感」を生み出すワケ

雑談をお互いのキャラクターの理解だと考えていると、話題の幅も自然と広がります。たとえば、相手が割とフランクなキャラクターだとわかれば、ちょっとタブー感のある話題も振ることができます。

タブーな話題は、いつでも振れるような話題ではありませんが、そういう話題が許される相手であれば、この手の雑談は非常に盛り上がります。

しかも、一度でもタブーな話題で盛り上がった相手とは、不思議と一体感が生まれます。この一体感は、その後の人間関係において、意外と馬鹿にならないものです。

あまり明言はしませんが、私の周りでも、仕事の実力がそれほど高いとは思えない人が、権力のある人物から不思議と気に入られている場合、その裏ではこうした「タブーな雑談」で盛り上がった経験がある、なんてことがあったりします。

さて、一方、雑談を苦痛だと感じていたり、相手のキャラクターに無関心で、情報交換だけすればいいと思っている人は、タブーで盛り上がるような話題はできません。

たとえば、次の会話のように、いい話、役に立つ話などをして、お互いに良いことしか言えない雰囲気の雑談をしがちな人は結構いると思います。

A 「今日も結構、遅くなりましたね」
B 「そうですね。さすがに連日だと疲れますね」
A 「まあ、残業代も出てるし、ありがたいと思わなくちゃダメですよね」
B 「そうですよね。出ない会社もある中、出てるだけマシですよね」
A 「では、お疲れ様でした」
B 「お疲れ様でした」

これは別に悪い雑談ではありません。しかし、どこか距離感のある会話でもあります。

 

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キャラがわかればタブーな話題も怖くない >

著者紹介

渡辺龍太(わたなべ・りょうた)

放送作家、即興力養成講師(ハリウッド流インプロ協会会長)

高校生の頃にお笑い芸人を志すも、日本ではスベり続けた末に、一念発起してアメリカへ留学。その際、現地で「インプロ(即興力)」と呼ばれる科学的に研究されたアドリブトーク術と出会い、コミュニケーション能力が劇的に改善。以降、本格的にインプロや心理学を学び、体系的にまとめられた「人間が笑う話のロジックのパターン」の研究に没頭する。帰国後は、インプロで身につけたコミュケーション能力を活かして、実績ゼロからNHKの番組ディレクターに就任し、放送作家となる。現在は、放送作家として活躍するかたわら、浅井企画メディアスクールでインプロワークショップなどの講師を経験したことをきっかけに、ビジネスマンや学生を対象に、様々な自治体や企業で精力的に講演やワークショップなどを行っている。2018年には、さらにインプロを広めるために、ハリウッド流インプロ協会を設立し、インプロ講師の養成にも注力している。
著書に、『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』(ダイヤモンド社)、『自分の居場所はどこにある? SNSでもリアルでも「最高のつながり」の作り方』(CCCメディアハウス)、『ウケる人、スベる人の話し方』(PHP研究所)がある。

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