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「コロナ終息」が見えてきたモロッコ。勝負は「ラマダン明けのGW」

2020年05月08日 公開
2023年07月03日 更新

石澤義裕(デザイナー)

続報「見通しは甘かった?」

政府の勇み足を心配していたら、この原稿の脱稿直前に再び状況が変わりました。

1日の新たな感染者数が4日連続で100人を超えてしまい、安全圏に入る予想だった6月1日は、油断禁物ゾーン真っ只中にずれこみました。

〈グラフ4〉今後の予測とゾーン分け(出典:Medias24/日本語は著者の加筆)

安全圏にいたっては、グラフから消えています。

この勢いがあと2、3日も続けば、緊急事態宣言が解除される5月20日は、おそらく危険ゾーンのまま。

「勝負はGW明け」というシナリオに暗雲が立ち込めてきたのです。

さらに、ここでモロッコ政府が頭を抱える問題が立ちはだかります。それは、6月から観光シーズンが始まること。

観光大国でもあるモロッコ。お得意先のトップスリーは、コロナの死者数世界第3位のイタリア、第4位のスペイン、第5位のフランスです。

そしてこの3国は、すでに段階的解除による経済の復興を発表しました。

経済を優先してインバウンドを受け入れるのか、各国の段階的解除に海外旅行が含まれていないとみて、再び延長するのか。

観光収入はGDP的に2番目の財源ですから、悩ましいところです。

メディナ(旧市街)。市場の前は、とくに人通りが多いです。

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