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東京五輪に残る不安 …ウイルスだけでない「サイバー攻撃の懸念」



2020年05月18日 公開

園田道夫(独立行政法人情報処理推進機構専門委員)

園田道夫氏

《新型コロナウイルスの猛威により、東京五輪の延期が決定した日本。我々にとって脅威となるのはウイルスだけではない。五輪の開催に伴い増加が予測されるサイバー攻撃に、私たちはどう備えればいいのだろうか?(取材・構成:桃山 透)》

 

ロンドン五輪では2億回サイバー攻撃があった!

五輪などのメガイベントがあると、開催国に対するサイバー攻撃が増加します。

チケットの購入サイトなどから個人情報を盗んで経済的利益を得ようとする人ももちろんいますが、世界が注目している場で目立つために、関連するウェブサイトを書き換えようとするような愉快犯や、テロリストも現れます。

例えば、2012年のロンドン五輪では、2億回ものサイバー攻撃があったとされています。18年の平昌五輪では、サイバー攻撃によって、観客がチケットを印刷できなくなるなどのシステム障害が起こりました。

ただ、開催国が威信をかけて、セキュリティ対策に十分なお金と人を投入しますから、重大な事件になることは滅多にありません。東京五輪に向けても、大会に関連するネットワークをサイバー攻撃から守るための体制が整えられています。

情報通信研究機構(NICT)のナショナルサイバートレーニングセンターでも、約220人が「サイバーコロッセオ」という3年間の訓練を受けて、大会に備えています。

これは、実際のネットワークを模した環境を作って、実践的な攻防の演習をするものです。サイバーセキュリティのエキスパートたちが集まっているので、かなりハイレベルな攻防が行なわれています。

「防御だけでなく、攻撃の演習も?」と思われるかもしれませんが、防御と攻撃は表裏一体です。防御だけの演習だと、どうしても攻撃に後追いで対抗することになります。攻撃する側の目のつけどころや考え方などを知ることで、防御に応用することができるのです。

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