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プリベント少額短期保険「日本で初めて弁護士保険を販売。法的トラブルで『泣き寝入り』しないために」

2020年09月07日 公開
2020年09月07日 更新

【経営トップに聞く 第35回】花岡裕之(プリベント少額短期保険社長)

「リーディングカンパニーとしての実績が強み」

弁護士保険

――現在は、御社以外にも弁護士保険を取り扱う保険会社が現れています。その中で、御社の強みは何でしょうか?

【花岡】自動車保険などに弁護士費用特約が付保され、万が一、交通事故の当事者となった場合には弁護士を活用できるということは、多くの方がご承知と思います。一方、特約ではなく、弁護士保険を単独の商品として販売する少額短期保険会社も、確かにあります。

 それらと当社の違いは、まず、日弁連と提携していることです。東京弁護士会と大阪弁護士会に所属している弁護士と直接、無料で電話相談ができる「弁護士直通ダイヤル」というサービスも行なっていて、既に2万件以上のご利用実績があります。また、地域の弁護士を無料でご紹介するサービスも、2000件以上、利用していただいています。

 最初に販売を始めただけに、実際に保険金をお支払いした実績が6000件以上積み重なってきていることも、大きな強みです。弁護士保険では、保険金の支払いに独特のノウハウが必要なんです。

 先ほども例に出しましたが、弁護士保険に加入するより前に離婚問題の原因が発生していたら、その事案は保険金支払いの対象になりません。さらに、相手方に対しては、いったい何を要求したいのか、あるいは、何をしてほしいのか、といったことがポイントとなりますから、保険金査定担当者は、場合によってはお客様の私生活にまで踏み込んでお話をお聞きすることが必要となる場合があり、いわば人生相談に乗らなければならないのです。こういった非常にセンシティブな対応は、一朝一夕に果たせるものではありません。それだけに、実践に裏づけされた経験の積み重ねが非常に重要になってくると考えています。

――そのノウハウも独自に作った?

【花岡】販売を開始する前から保険約款や過去の判例を隅から隅まで読み込み、さらにOJTを通じて、人材を育成していました。

――御社は2011年の設立ですが、創業メンバーには保険業界出身者が多いのでしょうか?

【花岡】そういうわけではありません。もちろん保険業界出身者もいて、彼らが中心になってマニュアルを作成したりしましたが、他の業界の出身者もいます。だからこそ、従来の保険会社にはない視点でサービスを作れたのだと思います。

 例えば、加入者の方々には、クルマや玄関ドアなどに貼れるステッカーをお送りしています。「弁護士保険に加入しています」というステッカーを貼ることがトラブル抑止につながるという発想は、「既に起きてしまった保険事故に対してどのように保険金を支払っていくか」というカルチャーが一般的となっている保険業界出身者からは出てこなかったと思います。

――花岡社長ご自身は財務省の出身ですが、旧大蔵省の保険部に在籍されたことがあります。2011年にプリベントホールディングス〔株〕(16年に清算)の非常勤社外取締役と、当時はその子会社だったプリベント少額短期保険の非常勤社外監査役に就任され、15年にプリベント少額短期保険の社長に就任されました。

【花岡】社長に就任した当時の保有契約件数は、今の約半分でした。

――社長になって、特に注力していることは?

【花岡】現在は個人向けの商品だけを販売しているのですが、事業者向けの商品も必要だと考えて、その開発を進めてきました。顧問弁護士を雇えない中小零細企業や個人事業主が取引先や従業員などとトラブルを抱えた際に使える弁護士保険が欲しいという要望が、ずっとありましたから。ようやく今秋、販売を開始する予定です。

 契約書の確認など、トラブルの解決以外のニーズもあるので、それについても付帯サービスとして提供することにしています。

――販路は?

【花岡】基本的には個人向けと同じですが、事業者には対面で商品の説明を受けたいという方も多いので、代理店がより重要な販売チャネルになると考えています。また、事業者から仕事を請け負っている税理士などにご紹介いただくことも重要だと思います。

――今後のさらなる成長のために考えていることは?

【花岡】最優先に取り組むのは事業者向けの商品ですが、そのあとには、特定の業種固有のリスクに対応した商品も考えたいと思っています。また、契約者の方々を対象に定期的にアンケートを実施してきていますが、これらの生の声を反映させた商品改定を常に行なっていきたいと考えています。

「プリベント少短と言えば弁護士保険、弁護士保険と言えばプリベント! 誰もが皆知っている、知識と経験に裏づけされた弁護士保険のパイオニア!」と認められるような保険会社となることを目指しています。

《写真撮影:まるやゆういち》

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