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「初対面は15分」いつも売れる営業が守っている鉄則

2021年01月09日 公開
2023年02月21日 更新

川村和義(オールイズウェル社長)

川村和義 氏

営業パーソンなら、目の前の1件の商談を何とか成約させたいと思うもの。しかし、1件の成約で終わってしまっては、“売れる”営業とは言い難い。

1件の成約を次の商談へ、そして成約へとつなげるためには、どうすればいいのだろうか?営業コンサルティング会社代表の川村和義氏に聞く。(取材・構成:桃山透)

※本稿は、『THE21』2021年1月号(PHP研究所)より、一部内容を抜粋・編集したものです。

 

「売れる=見込み客減」にしないためには?

扱う商材によって違いますが、私が売っていた生命保険の場合、基本的に、同じお客様が何度も買ってくれることはありません。ですから、生命保険の営業パーソンには、「1件売れる」ことが「見込み客が1人減る」ことになっている人が多くいます。

そのため、飛び込み営業をしたり、チラシを配ったり、異業種交流会などの様々な集まりに出席したりと、見込み客の新規開拓に励むことになります。しかし、これでは非効率です。

「売れ続ける」ために重要なのは、ご契約いただいたお客様に友人などを紹介していただくこと。まったく知らない生命保険の営業パーソンでも、友人の紹介なら、初めて会うときからある程度の信頼をしていただけます。

では、紹介をしてもらうためには、どうすればいいのか。その答えは、お客様にファンになっていただくことです。

例えば、美味しいラーメン店を見つけたら、誰かに教えたくなるのではないでしょうか。「教えてほしい」と言われなくても、教えたくなる。もっと言えば、自慢したくなる。

これと似た感覚で、「私の担当者を誰かに自慢したい!」と思われるほど熱烈なファンになっていただければ、自然と、お客様が大切な方をご紹介してくれるようになります。

扱っている商品がいくら良くても、それだけでは、それほどのファンにはなってくれません。

お客様にファンになってほしいし、好かれたいし、虜にしたい。そのためには、まず、こちらから先にお客様を好きになること。好きになるためには、お客様に興味を持って、立場を置き換えて考えること。そこからがスタートです。

ちなみに、よく誤解されるのですが、「先にファンになっていただいてから、その方に買っていただく」という順番ではなく、「セールスの過程でファンになっていただき、大切な方をご紹介していただく」ことがポイントです。

セールスとファン作りは一体なのです。

 

ファン作りのコツは「平生」にあり

では、どうしたらお客様にファンになっていただけるのでしょうか。たくさんの営業パーソンの中から選ばれる決め手は「平生」にあります。「普段の何気ない生活の中にあなたの実力が出る」ということです。

例えば、普段、会社のミーティングによく遅刻してくる人が、「私はお客さんの前では一度も遅刻したことがありません」と言ったら?

例えば、普段、会社でいつもシャツの第1ボタンが外れていて、スーツもヨレヨレの人が、「私はお客さんの前ではバリッとしています」と言ったら?

例えば、普段、会社で暗くて伏し目がちな人が、「私はお客さんの前では笑いを取っています」と言ったら?

これって信じられますか?

普段、会社や家族、友人、地域コミュニティなどの中できちんとできていることしか、お客様の前ではできません。

普段の生活の中で、平生を磨くことで、お客様の前に出たときに圧倒的に素敵な営業パーソンになれるのです。

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