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各SNSには性格がある! 売上アップの土台となる「ペルソナ設定」

2021年01月15日 公開
2022年10月24日 更新

後藤真理恵(SNSエキスパート協会代表理事、コムニコ SNSマーケティングラボ シニアアナリスト)

後藤真理恵

投稿するネタはポジティブな話題を選ぶ

では、SNSの運用を始めたら、どのようなコンテンツを投稿すればいいのか。

私がお勧めするのは、企業が伝えたい「マーケティング系コンテンツ」と、ファンやフォロワーが楽しめる「企画系コンテンツ」を組み合わせて発信することです。

マーケティング系コンテンツとは、会社情報や商品情報、セールやイベントの情報などです。自社のウェブサイトやニュースリリース、メールマガジンなどに掲載するような情報だと考えればいいでしょう。こうした情報を地道に発信し続けることは重要です。

一方の企画系コンテンツとは、ファンやフォロワーを純粋に楽しませることを目指す投稿で、いくつかのパターンがあります。

・時節投稿
年末年始やクリスマス、花見や紅葉など、季節感ある投稿

・記念日投稿
「○○の日」「○○記念日」をテーマにした投稿。タイムリーで関心を集めやすい

・トレンドワード
世間で話題になっている言葉やニュース、ハッシュタグなどを使った投稿。多くのユーザーが検索するので発見されやすい

・トリビア・豆知識
意外と知らない豆知識や他の人に教えたくなる雑学を紹介。ファンに喜ばれるうえ、シェアやリツイートもされやすい

・クイズ・アンケート
ユーザーに問いかける投稿は反応を得やすいのがメリット

企画系コンテンツを投稿する際の大事なポイントは、自社の企業名やブランド、商品、サービスなどに絡めること。単に面白おかしいだけでは、多くのユーザーが読んでくれたとしても、発信した企業や商材について何の印象も残らないまま終わってしまいます。

例えば、商品開発の裏話をクイズにしたり、記念日と自社のサービスを関連づけたりと、さりげなく企業や商品の情報を取り入れるのがコツです。

トレンドワードや記念日などを使うときは、読む人がポジティブな気持ちになれるものを選んでください。ネガティブな記憶を呼び起こす日や、政治、宗教、セクシャルなワードなどは、炎上するリスクが高いので避けるべきです。

何より大事なことは、投稿する内容を考えるときも、常にペルソナを意識すること。「この人なら、この投稿を喜んでくれるはずだ」という視点を忘れてはいけません。ペルソナを見誤ると、たちまちファンが離れていきます。

 

SNS上の「口コミ」を参考に買う傾向あり

SNSを使った「売るため」の企画としては、キャンペーンも効果的です。

例えば、ツイッターで企業の公式アカウントをフォローし、特定のハッシュタグ「#〇〇」をつけてツイートしてもらうなどのキャンペーンが実施されています。

商品の購入を露骨に勧めるのではなく、魅力的なプレゼントを用意したり、企画にゲーム性を加えたりして、ユーザーに「これなら参加してみたい」と思わせる企画を考えましょう。

ユーザーにキャンペーンに参加してもらうことで、SNS上に良質な口コミが増え、他ユーザーの購買意欲の向上につながる効果もあります。

現在は、買い物をする前に店や商品について調べるとき、SNSで検索する人が増えています。グーグルやヤフーを使うと広告などが先頭に表示されるため、それを嫌うユーザーが、SNS上のリアルな声を参考にする傾向が強まっているのです。

ですから、SNS上に良質な口コミが増えれば、「自分も買ってみようかな」と考えるユーザーも増え、売上増に結びつくことが期待できます。

様々な工夫をしながら、うまくSNSを活用してください(キャンペーン企画前には各SNSの「利用規約」を確認するようにしてください)。

 

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