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今さら聞けない注目ワード「メタバース」と「NFT」 なぜ話題なのか?

2022年04月05日 公開

佐々木俊尚(作家、ジャーナリスト)

メタバース、NFTとはなにか

昨年からにわかに取り沙汰されるようになった「メタバース」や「NFT」。聞いたことはあるが、その理解はまだ曖昧なまま、という人も多いだろう。

それぞれの言葉がどんな技術を指しているのか、また、突如現れた新技術にいかに向き合うべきなのか。ITの最新動向を長年ウオッチし続けている佐々木俊尚氏に取材した。(取材・構成:坂田博史)

※本稿は、『THE21』2022年5月号第2特集「先駆者たちに聞く! メタバース・NFTは世界をどう変えるのか」より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

食わず嫌いで避けてしまうのは本当にもったいない

メタバースもNFT(Nonfungibletoken :非代替性トークン)も、新しいテクノロジーによる新しい概念。最初は誰でもわからなくて当然です。しかし、まずは知ろうとしてみることが大切だと思います。

ピンと来ない方は、ぜひ2008年のiPhone 日本発売時のことを思い出してみてください。当初は「スマホなんて一時の流行」とも言われましたが、今やどこへ行くにもスマホのマップで道を調べ、口コミをチェックするのが当たり前に。たった15年ほどで、私たちのライフスタイルは様変わりしてしまいました。

確かに、「メタバースやNFTなんてわからないし、興味もない」と言うのは簡単です。ですが、ひょっとすると10年後には今のスマホのように、生活を格段に豊かにする必須技術になっているかもしれません。

それなら、最低限の知識と業界動向は耳に入れておくくらいのスタンスのほうが、何かと得ではないでしょうか。新しいテクノロジーを食わず嫌いで避けてしまうのは、本当にもったいないことだと思います。

正確な未来予想は難しいですが、技術革新のサイクルが速まっているこの時代、10年後には今とまったく違う世界が広がっていることだけは確かです。

 

メタが年1兆円の投資を続け現実世界同等の画像解像度に

ここからは、メタバースとNFTをそれぞれ簡単に解説します。まずメタバースですが、これはひとまず「VR(仮想現実)」のこと、という認識から始めるのがいいでしょう。

VR技術にはいまだゲームのイメージが強く、実際に現在業界トップシェアを誇るオキュラスのVRヘッドセットは、ほぼゲーム用の道具です。

しかしそのオキュラスは、2014年に当時のフェイスブック社(現在はメタ社)に買収されています。ゲーム市場だけが買収の狙いではないでしょう。

フェイスブックは現状、テキストや写真を媒介に人々がコミュニケーションするサービスです。しかし昨年、フェイスブック社は社名を「メタ」に変更し、その際の会見で見せたのは「VR内の会議室で行なう会議の様子」でした。

つまりメタ社は、今のフェイスブックと同じことを、実際の身振りや声を交えた形で行ないたい、と考えているようです。そしてそのために、ゲーム技術だった「VR」を社会生活に拡張したがっています。

メタ社のマーク・ザッカーバーグCEOは昨年、今後数年に渡り、メタバース関連の事業開発に日本円で年間1兆円以上の投資を続けると発表しました。

今はまだあまり複雑な図形を処理できず、発展途上な雰囲気を脱し切れないVR空間ですが、年1兆円以上の開発投資が続くのです。技術力は確実に進化し、グラフィックも様変わりしていくことでしょう。

実は、高級VR機器の中には、すでに「4K」解像度を実現したものも存在します。人間の目の限界はおおむね8~16Kと言われていますから、あと10年もしないうちに、VR空間の解像度は人間が知覚できる限界値に到達することでしょう。そうなれば、もう現実とVRは視覚情報だけでは区別できなくなるのです。

いずれ、メタバース上のアバターも、リアルな自分自身にしか見えないものが実現するでしょう。あとは他人の動きをリアルタイムに映像と同期することさえできるようになれば、もうそれは実際に会って話すのと、何ら変わらない雰囲気になるかもしれないですね。

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