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「ゴールデン番組は断ってきた...」元テレ東P・佐久間宣行氏の独立が成功した理由

2022年06月04日 公開

佐久間宣行(テレビプロデューサー、演出家)

佐久間宣行
写真撮影:石黒幸誠

約1年前の2021年3月末に、45歳でテレビ東京を退社。現在はフリーのテレビプロデューサー、演出家、作家、ラジオパーソナリティー、YouTuberとまさに八面六臂の活躍をしている佐久間宣行氏。会社の看板がなくなると急に活躍できなくなるミドルが多い中、佐久間氏はむしろ活躍の幅を大きく広げている。

また、ミドルともなると部下の育成に頭を抱えることも増えるが、佐久間氏はどう部下を成長させチームを成功に導いてきたのだろうか。詳しく話を伺った。

(取材・構成:内埜さくら )

※本稿は『THE21』2022年6⽉号より抜粋・編集したものです。

 

40代半ばで独立を決断した理由

――約1年前にテレビ東京を退社され、40代半ばで独立されたときは驚きました。独立の理由やきっかけは?

【佐久間】いくつかありますが、一番は現場でディレクターの仕事をまだ続けたかったことですね。普通このぐらいの歳になると、管理職になって現場を離れるのですが、まだまだ実現したい企画がありました。

会社から管理職の話がじきにくるのはうすうすわかっていたんです。一度引き受けておいて、あとから「やっぱり...」というのが一番良くないじゃないですか。会社にも迷惑を掛けてしまう。だったら今だと思って独立することにしたんです。

――本誌の特集テーマは「副業」です。佐久間さんはテレビ東京時代から「オールナイトニッポン」のパーソナリティーをされるなど、社外でも幅広く活躍されていた印象があります。副業はわりと自由にやれる環境だったんですか。

【佐久間】会社員時代に社外からいただいたお仕事はすべて、上司にまず報告・相談し、会社にも副業申請書を提出していましたよ。お引き受けしたのは、当然ながら会社からOKが出た案件だけです。

当時、許可をもらえるのは、番組の宣伝になるなど、何らかのかたちで会社の利益につながるものだけ。競合に当たるようなものはもちろんNGです。なので、お断りした依頼も少なからずありました。

そうした中で、「会社の枠にとらわれず、自分が面白いと思うものをもっと手がけていきたい」と思ったことも、独立した理由の1つです。

ただ、会社ともめたことはありません。会社員だからこそ守ってもらっている部分があると理解していましたし、テレビ東京の社員だからこそ実現できた企画もいくつもあったので。「自分が会社を利用させてもらっている面もあるし、そこはトレードオフの関係だよな」と考えていました。

――では、退社時も会社ともめたりすることはなかった?

【佐久間】はい、まったく。自分で言うのもなんですが、稀に見る円満退社です(笑)。現に、今もテレビ東京の番組(『ゴッドタン』『あちこちオードリー』)を引き続き担当させてもらっていますしね。

 

独立して成功するのは“信用貯金”をしていた人

――独立して会社という看板がなくなった途端、人と仕事が離れていってしまうミドルは少なくありません。一方、佐久間さんには新たなお仕事が殺到しています。その理由を自己分析していただいてもいいですか。

【佐久間】自著(『佐久間宣行のずるい仕事術』)にも書きましたが、僕は30代になった頃から、会社から離れても生きていけるように、自分をブランド化することを意識してきました。それがやはり大きいと思います。

自分ブランドに必要なのは、信用と個性の2つです。

まず信用というのは、自分という人間そのものへの信用。どんなに優秀でも、嫌なヤツとは仕事をしたくないですよね。だから人間性に問題があると、人が離れていきます。

今たくさんの人に応援していただけているのは、これまでの仕事の中で、「佐久間は人を脅したり、人を踏み台にしたりしない人間だ」といった"信用貯金"が貯まっていたからだと思います。

もう1つの個性は、「この人ならきっとこういうものをつくってくれるだろう」と、周りに期待してもらえるものがあるかどうかです。

個性を確立するには、「らしくない仕事」を断ることも必要です。僕で言えば、ゴールデン番組の仕事は自分らしくないのでずっと断ってきました。「ゴールデンは本当に苦手なんです。得意な人にやってもらったほうが会社の利益にもなると思います」と言って。

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