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サンフランシスコ市に言いたいこと

2018年01月31日 公開
2019年04月12日 更新

吉村洋文

国民は「おかしい」と思っている

――恐ろしいのは2017年12月、日本国民の与り知らないうちにフィリピンのマニラでも慰安婦像が設置されてしまいました。世界中に日本バッシングの波が広がらないか、不安です。

【吉村】一部報道にあったように、仮にこの動きを事前に在フィリピン日本大使館が把握していなかったとしたら大問題ですし、私は先の経験から大使館や領事館、外務省が鷹揚すぎるのではないか、という懸念をもちます。

もう少し危機意識があれば、即座に情報収集や対応を図るはずです。先にもいいましたが、初動が大切です。彼らは日常的に現地で議員への根回し、ロビー活動を継続しています。個々の議員がその気になってしまえば、反日活動を行なう人びとの狙う方向に進んでしまう。

現地に駐在する日本の公的機関の方々には真剣に慰安婦像の問題に取り組んでほしい、と感じます。

誰よりもいま国民自身が、慰安婦問題が歪曲されていることに気付いています。現に2017年11月30日時点で大阪市役所に寄せられた市民の声として、姉妹都市の解消に反対する意見が約100件だったのに対し、賛成する意見は約1000件も寄せられました。

やはり多くの方は、たとえ声は小さくても「いまの状態はおかしい」と思っているのです。政治家の側が思考を変えてこの問題を重く受け止めなければ、日本バッシングの流れ、慰安婦像設置の流れは変わらないのではないでしょうか。

著者紹介

吉村洋文(よしむら・ひろふみ)

大阪市長

1975年生まれ。98年に九州大学法学部を卒業し、同年に司法試験合格。2000年、最高裁判所司法研修所修了弁護士登録。11年に大阪維新の会から大阪市会議員として出馬、当選。14年に維新の党から衆議院議員として出馬し、当選。15年、大阪市長選に出馬し当選、現在に至る。大阪維新の会政調会長。

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