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高橋洋一 1年以内に北朝鮮攻撃が始まる

2018年02月13日 公開

高橋洋一(嘉悦大学教授)

イラク戦争を上回るカウントダウン

 昨年に出版した『朝鮮半島 終焉の舞台裏』(扶桑社新書)のなかで、このまま行けば米朝戦争は避けられず「北朝鮮攻撃のカウントダウンが始まっている」と書いた。

 いま、平昌五輪・パラリンピックで緊張は和らいだのではないかという意見も出てきたが、まったく違う。

 平昌五輪・パラリンピックの南北の話し合いは、北朝鮮の時間稼ぎになるだけで、朝鮮半島の非核化という問題解決にならないだろう。

 ワシントンやニューヨークに届く大陸間弾道核ミサイルの開発に北朝鮮はあと一歩の地点にまで来ている。ミサイルが大気圏に再突入する際の、高温高圧に耐えられる再突入技術が壁になっているが、これが早ければ3カ月、遅くても1年以内に開発に成功すると見られているからだ。アメリカとしては、その前に決着をつけたいというタイムリミットがある。

 一方、北朝鮮は、開発までの時間稼ぎをしたい。金正恩からすれば、それがベースとなって五輪参加を決めたのだろう。トランプ大統領が米韓首脳電話会談で「南北対話が続いているあいだは、いかなる軍事的行動もしない」と表明したのだから、してやったりだ。

 目先は和らいだように見えるが、全体の構図は変わっていない。先延ばしされているだけだ。

 国連制裁がすでに9回(本書執筆時)と、イラク戦争の7回を上回っていることもカウントダウンの理由だ。国連の制裁決議の最後には国連軍(または有志連合)が出て行くというのが国際社会のセオリーだ。制裁に抜け穴があるのは想定内だが、制裁を重ねるにつれ、抜け穴がだんだん縮まっていき、塞がったら経済封鎖されたも同然で、北朝鮮はもたない。その前にギブアップすればいいのだが、核を放棄すれば、金正恩は体制を維持できないからギブアップできない。

 昨年12月の10回目の国連制裁では臨検が入った。臨検は準軍事行為であり、制裁国からしても、制裁のカードが尽きて、次は軍事行為にエスカレートさせる段階に入っている。

 そうしたもろもろの要素から演繹的に考えていくと、3月18日にパラリンピックが終わったら再びきな臭くなってくるだろう。

 今回の南北会談でも、朝鮮半島の問題は朝鮮民族だけで解決するといっている。その気持ちはわかるが、朝鮮半島がいまでも休戦状態で国連軍が駐留しているので実際には無理な話だ。

 国際合意を簡単に反故にする北朝鮮と、慰安婦問題でもわかるように国際常識のない韓国の合意はどこまで信用できるか。本当に南北統一まで行けば国際社会も歓迎だが、その場合には朝鮮半島の非核化が大前提である。

 今回の南北の対話でそこまで行くとは国際社会では誰も思っていない。だから、韓国の平昌五輪・パラリンピックを成功させたいという足元を見て、北朝鮮が核ミサイル開発の時間稼ぎをして、米韓の分断を図っただけと見ている。

(本記事は『Voice』2018年3月号、高橋洋一氏の「1年以内に北朝鮮攻撃が始まる」を一部、抜粋したものです。全文は現在発売中の3月号をご覧ください)

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著者紹介

高橋洋一(たかはし・よういち)

嘉悦大学教授

1955年、東京都生まれ。東京大学理学部数学科、経済学部経済学科卒。博士(政策研究)。1980年、大蔵省に入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣参事官などを歴任。2008年、退官。著書に、『日本人が知らされていない「お金」の真実』(青春出版社)ほか多数。

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