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ジム・ロジャーズがオリラジ中田敦彦にそっと教えた「南米の新たな注目国」

2019年03月19日 公開
2022年05月31日 更新

ジム・ロジャーズ&中田敦彦(オリエンタルラジオ)

ジム・ロジャーズ&中田敦彦写真:阿久津知宏 通訳:近藤奈香

<<日本の読者に向けて特別に語り下ろした新著『お金の流れで読む 日本と世界の未来』(PHP新書)は発売から僅か1カ月で14万部を突破している、「世界三大投資家」の一人、ジム・ロジャーズ氏。

芸能活動と並行してアパレルブランド「幸福洗脳」を立ち上げるなど実業家としても活躍し、3月16日には新著『労働2.0 やりたいことして、食べていく』(PHP研究所)を刊行したオリエンタルラジオの中田敦彦氏。

「投資の極意」をテーマに始まった異色対談は、やがてロジャーズ氏が中田氏に「君は『あの国』に進出すべきだ」を直言する意外な展開に――。>>

※本対談はVoice5月号(4月10日発売)に掲載予定です
 

自分にとって相応しいフィールドとは

【中田】 僕は日本にあって他の国にないもの、またその逆を知るには海外に出るのが一番だと考えています。それも、少しのあいだ旅行に行く程度ではあまり意味がない。日本の強みと弱みを分析できるくらいに海外を観察するべきです。

ですが今日、ジムさんをお会いして、海外の一流の方の言葉に耳を傾けることも非常に重要だと再確認しています。

そんなジムさんに一つお聞きしたいのですが、課題が多い日本において、僕たち日本人はどのように日本をよくすればいいのでしょうか。それとも、日本の外に目を向けるべきなのでしょうか。

【ロジャーズ】 一つ言えることは、決断にはその方の年齢や職業が大きく関わるということです。

たとえば、もしもベースボールプレイヤーとしてすでに成功を収めていれば、慌てて日本の外に出る必要はありません。日本のベースボール市場はアメリカに次ぐ規模を誇っているからです。劇的に衰退することも考えにくい。

ただし、現在の活動の場所が大きな市場ではない、あるいはティーンエイジャーだ、といった場合は、海外に目を向けることを拒む必要はない。みずから選択肢を狭めるのは愚かな行為です。

【中田】 よりハッキリと言えば、現時点で優位性をもつ人間はそのまま日本で頑張ればいい。でも、まだ地位を確立していないならば日本を出ることも視野にいれるべきだ。そういうことですね。

【ロジャーズ】 国を去るかどうかは個々人の決断です。しかしアメリカ人の私は、いまではシンガポールに住んでいます。シンガポールにはアメリカよりも幸福な人生を送るチャンスがあるからです。同じように、ビジネスや生き方という観点から、自分にとってどのフィールドがもっとも相応しいかを考えることは大切なことです。
 

ロジャーズ氏が中田氏に薦めた「あの国」

【中田】 実際、日本のビジネスパーソンのなかにも海外に拠点を置く方が増えています。それは日本が好きとか嫌いとかではなく、純粋により多くの可能性が眠っているからでしょう。しかし、どの国に活躍の場を求めるかは重要だと思います。

【ロジャーズ】 ここでも、自分のことを知ることが大切になります。たとえば中田さんにとっては、シンガポールは魅力的な国ではありません。なぜならば、ファッションやエンターテインメントがそこまで発展していないからです。中田さんにとって日本よりも活躍の場があるかは保証できない。

もしも中田さんが日本を飛び出るのならば……そうですね、韓国はどうでしょうか。音楽業界が非常に成熟しており、日本語に対する受容性も高い。ファッション業界も盛んです。

私は音楽にさほどは詳しくなく、K-POPのスターの名前もほとんど知りません。それでも先日、娘と「BLACK PINK」(人気ガールズグループ)のライブに足を運びました。娘ほどは夢中にはなれませんでしたが(苦笑)、多くの観客を熱狂させるパワーが韓国の音楽産業にあることは分かりました。

【中田】 ジムさんは『お金の流れで読む 日本と世界の未来』のなかでも、朝鮮半島の未来が明るいことを述べていますね。僕には意外な予測だったのですが、あらためてその根拠をお聞かせいただけますか。

ロジャーズ まず、今後10年から20年のあいだに北朝鮮が開国するでしょう。そうなれば朝鮮半島が急激な経済発展を遂げるのは間違いない。私は可能であれば全財産を北朝鮮に投資したいくらいですよ。

韓国も経済的にその恩恵を受けるはずです。また、「BLACK PINK」が世界中で人気を博しているように、良質な映像や音楽を次々と世界に向けて発信する韓国のソフト産業戦略は称賛に値します。

だからこそ私は、韓国は次の20年でもっともエキサイティングな国の一つと考えているのです。コメディーも大人気なので、中田さんにぴったりでしょう。

【中田】 なるほど。いろいろな業界が縮小していく日本に身を置くよりは、多くの可能性が眠る韓国に進出すべきなのかもしれません。すぐに韓国語を勉強しなくてはいけませんね(笑)。

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