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ウクライナ人が日本に警告「北方領土の2島返還で笑うのはプーチンだけ」

2019年03月25日 公開

グレンコ・アンドリー(ウクライナ出身)

「領土返還」と「領土問題の解決」のすり替え

今まで日本政府は、少なくとも南千島、つまり択捉島・国後島・色丹島と歯舞群島は日本の領土である、という立場を一貫して取ってきた。

しかし、いつの間にか「領土返還」ではなく、「領土問題の解決」という言葉が日本の情報空間に飛び交うようになった。それは何を意味するのか。

「領土返還」という言葉には1つの意味しか含まれていない。しかし、「領土問題の解決」という言葉には2つの意味が含まれている。

「問題の解決」は「領土返還」という形でも「領土放棄」という形でも可能であり、どちらも「領土問題の解決」である。

したがって、領土返還ではなく領土問題の解決を繰り返し述べる日本の政治家やジャーナリストの発言は、「領土放棄という選択を排除しない」ことを意味している。

このように概念をすり替えれば、安倍総理は「実績を残す」ことができる。つまり北方領土を取り返せないが、領土を放棄することによって「領土問題を解決した首相」という「実績」を作ることができる。

そして支持層に対し、巧妙な情報発信で対露敗北を「安倍外交の勝利」と思わせることができる。

実際、総理はロシアが北方領土を返還しないことを分かっているので、「日本の面子が潰れない形で」北方領土の放棄を目指していることは明らかである。日本のメディアにおけるロシアに対する報道、もしくは日露関係に対する報道がそれを物語っている。

たとえばロシアに関する報道では、以下の話題が頻繁に出ている。すなわち「ロシアの美人スポーツ選手」「プーチン大統領は柔道が好き」「プーチン大統領に秋田犬が贈られた」「日本にシベリア猫が贈られた」などである。つまり、全く政治や外交と関係がない。

これはロシアが日本の領土を不法占領している事実から目を逸らすための戦略である、と言わざるをえない。先述のような報道だけを見れば、誰でもロシアによい印象を持ち、親近感が湧く。

日本中にこのようなロシアに対して甘いイメージが広まれば、ロシアに対する大きな譲歩も受け入れられやすくなる。

また、安倍政権が展開している対露外交についてマスコミはほとんど批判せずに、政府の発表をそのまま報道するだけである。

たとえば、日本の高官による「日露新時代」「(領土問題に関する)新しいアプローチ」「落ち着いた雰囲気での交渉」「両国に受け入れ可能な解決」などの表現を報道するだけで、反論は加えられない。

しかし、このような表現は日本の一方的な譲歩を示す婉曲表現にすぎない。このような発表の下で、安倍政権は歴代政権の立場を崩して北方領土を放棄しようとしているが、日本のメディアもそれを容認しているのである。

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