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橋下徹 「リーダーには“よりましな案”を選ぶ考え方が必要」

2019年06月12日 公開

橋下徹(元大阪市長)

橋下徹聞き手:編集部(中西史也) 写真:大坊崇

38歳で大阪府知事に就任し、数々の改革を成し遂げてきた橋下徹氏。大阪府庁1万人・大阪市役所3万8000人の職員、組織、そして国をも動かして結果を出してきた秘訣とは。大阪都構想において公明が賛成する意向を示したなか、大阪ひいては国政の状況はどう変わるのか。政局のうねりとリーダーに必要な要素について語る。

※本稿は月刊誌『Voice』(2019年7月号)橋下徹氏の「大阪の改革から『実行力』を学べ」より一部抜粋・編集したものです。

 

選挙によって雌雄を決する

――公明が大阪都構想の住民投票再実施に加え、都構想そのものにも賛成する意向を示しました。両党で引き続き協議が行なわれていくでしょうが、今後の展開をどう読みますか。

【橋下】 公明は維新の総大将である松井さんの首を取りにきて、維新はそれを返り討ちにしました。

この結果からすれば、住民投票の再実施に加えて、都構想そのものにも賛成してくれないと、維新は手打ちはできないというスタンスです。当然です。

維新と公明で手打ちができなければ、公明が議席をもつ関西の6つの衆議院選挙区に維新は候補者を立て、とことんやり合うでしょう。

このように、維新は選挙結果を武器として、行動目標である大阪都構想を実現しようとしています。メディアやコメンテーターのインテリたちは、維新の手法を「喧嘩民主主義」と批判しますが、民意の表れである選挙によって雌雄を決することこそ、健全な民主主義だと思います。

 

決定したことには従ってもらうルール作りを

――自民大阪府連の渡嘉敷奈緒美会長も、住民投票を容認し、都構想そのものの是非をゼロベースで検討する考えを明らかにしています。

【橋下】 渡嘉敷さん自身は、大阪府民・市民の民意を冷静に汲んでいると思います。ただし、自民大阪府連の組織運営をどこまでできるかですね。

自民の大阪市議会議員は「そんな話は聞いていない」と叫び、反対が噴出する始末ですから。

党執行部が出す方針に一介の市議会議員がクレームをつけるのは、民間企業で取締役が決めたことに対して平社員が「聞いていない」と不満を垂れるのと同じです。そういう組織は脆弱だといわざるをえない。

自民の大阪市議会議員たちは、自分たちの都構想反対の意思を通したいのであれば、誰かが市長選挙に出馬して勝てばよかっただけです。それを勝てる自信がなかったのか、市長選挙からは逃げ回り誰も立候補しなかった。

自分たちは市議会議員という身分にこだわったわけです。そして市長選挙で維新に完敗したくせに、選挙結果を重視しようとする渡嘉敷さんに文句を言う。政治家として失格でしょう。

維新の議員は松井代表ら執行部の決定に従いますが、自民大阪市議会議員を渡嘉敷さんがまとめられるか。彼女は大阪自民のトップなのだから、方針に背く議員には党の公認権を与えなければいいのです。そこまでやり切れるかですね。

――渡嘉敷会長の「実行力」が問われていると。

【橋下】 物事を進めるときは、必ず期限を設けたうえで、反対意見も含めて徹底的に議論を戦わせる。多様な意見が出ることで、より良い案に修正していくことができます。

ただし、最終的に決定したことには従ってもらうルールをつくる。従わない場合は静かに人事権を行使し、組織から抜けてもらう。これこそ僕が実践してきた「実行力」です。渡嘉敷さんにこそ、僕の著書『実行力』を読んでもらいたいですね(笑)。

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