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橋下徹 「リーダーシップは組織に規定される」

2019年06月17日 公開

橋下徹(元大阪市長)

橋下徹聞き手:編集部(中西史也) 写真:大坊崇

38歳で大阪府知事に就任し、数々の改革を成し遂げてきた橋下徹氏。大阪府庁1万人・大阪市役所3万8000人の職員、組織、そして国をも動かして結果を出してきた秘訣とは。リーダーシップは個人の資質ではなく、組織に規定される――。自らの大阪での改革や安倍首相の政治運営を事例に、真の「実行力」を語る。

※本稿は月刊誌『Voice』(2019年7月号)橋下徹氏の「大阪の改革から『実行力』を学べ」より一部抜粋・編集したものです。

 

いかにハードとしての組織の仕組みをつくれるか

――改革を実行、さらに継続していくためのリーダーの教育についてどう考えていますか。

【橋下】 リーダーは次のリーダーを選任することが大きな仕事の1つです。僕が堂々と自慢できるのは、2011年に松井さんを大阪府知事候補に決定し、2015年には吉村さんを大阪市長候補に決定したこと。

この判断は大阪のために本当に正しかったと自負しています。吉村さんは次のリーダーを育てる準備に入らなければなりません。

さらに僕は「リーダーシップは組織に規定される」と考えています。個人の資質如何といった「ソフト」だけではなく、いかにリーダーシップが発揮できる「ハード」としての組織の仕組みをつくれるかが重要です。

たとえば教育問題では、メディアや学者たちはソフトの教育論ばかりを議論するけれど、彼ら彼女らは現在の教育行政の仕組み、つまりハードに根本的な問題があることに気付いていない。

僕が大阪府知事時代に教育委員会改革に取り組んだのは、教育政策については独立した「教育委員会」という組織が担う建前になっており、予算は知事が握っている一方で、教育政策の立案は教育委員会が行なうというバラバラの体制になっていたからです。

これは戦後、政治が教育に過度に介入することを恐れたからですが、この仕組みこそ教育改革が進まない諸悪の根源だったと思います。

僕は教育委員会廃止論を掲げましたが、その後いじめ問題で教育委員会が機能していない実態も明らかになり、文科省は教育委員会改革にやっと動き出しました。

最後は、知事・市長という首長と教育委員会が協議する総合教育会議というものが設置されるような法改正となりましたが、誰が最終決定権者であるのかが不明でした。

そのため維新は2012年3月に「大阪府教育行政基本条例」を成立させ、教育目標について首長と教育委員会が協議しても意見が一致しない場合は、首長が優越して議会に提案できることを定めました。

同年5月には、大阪府と同様に今度は大阪市で、「大阪市教育行政基本条例」を制定させました。

この結果、決定権者が明確になったので、最後は必ず決まるという前提で議論が進み、数々の教育改革を実行することができたのです。

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