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習近平の「暗殺未遂数」は歴代トップクラス

2019年09月22日 公開

福島香織(ジャーナリスト)

習近平の敗北(福島香織)

中国の国家主席習近平。氏が暗殺未遂にあった数は、歴代指導者のなかでも最高クラス。

中国では最後に9のつく年は厄災の年だというが、今年その身になにかが起こっても不思議ではない。ジャーナリスト福島香織氏が著した『習近平の敗北』より、仰天の暗殺未遂の過去を紹介しよう。

※本稿は福島香織著『習近平の敗北』(ワニブックス刊)より一部抜粋・編集したものです
 

臆病だったからこそ命が救われている

習近平がその座を追われるとしたら。政変、クーデター以外に、最もありえそうなのは暗殺です。そんなゴルゴ13みたいな世界が本当にあるのか、といえば中国では比較的普通にあります。鄧小平は7回暗殺未遂にあったそうです。

胡錦涛は暗殺未遂に3度あいました。ですが習近平が暗殺未遂にあった数は、歴代指導者のなかでも最高クラスです。総書記になる前に2回。一期目の任期の5年間に10回。二期目に入ってからは2回あったようです。

一番最近の例では2018年10月22~25日の習近平の南方視察中にあったそうです。米国発の華字メディア・「博聞新聞網」がそのように報じていました。

この南方視察で本来予定されていた活動がキャンセルされたり変更されたりし、ずいぶん早くに北京に戻ってきたのですが、その理由について、習近平誘拐・暗殺計画が直前に発覚し、急遽予定やルートを変える必要性が出たからだというのです。博聞新聞網はこれを中南海筋から聞いた話としています。

この南方視察の最大イベントは香港、マカオ、珠海をつなげる世界一の港珠澳大橋の開通セレモニーでした。会場は本来、橋の上に設置される予定でしたが、これを急遽税関の建物のなかに変更しました。これは香港・マカオマフィアが習近平の暗殺を狙っていることが事前に察知されたからだというのです。

別の筋の話では、そういう暗殺計画が発覚したのではなく、臆病な習近平が急に暗殺が怖くなったために予定変更を言い出したとか。

香港やマカオは一応、一国二制度で警察システムが違いますし、"やばい仕事”を金で引き受けるマフィアや殺し屋はごろごろいる(と習近平は思い込んでいる)ので、不安に駆られてしまったのかもしれません。

香港マフィアはもともと江沢民・曾慶紅と関係が深いといわれていますし、習近平の南方視察直前にマカオ中聯弁主任の鄭暁松が飛び降り自殺するという不可解な事件も起きていました。習近平が不安になるのもわかります。

 

事件はクリスマスイブのトイレでも起きた

2017年のクリスマスイブにも習近平は暗殺未遂にあったといわれています。

習近平がイブの夜に突然腹痛になって北京の301軍事病院に運び込まれたという情報が流れました。病院に運び込まれたのは事実で、このときは神経性の下痢だったようで、治療を受けてすぐに帰ったそうです。

ですが習近平がなぜ急に下痢になったのか。このときにいくつか不可解な情報が流れました。

その日、人民大会堂の駐車場で車両が何者かに爆破されたそうです。その爆破された車は習近平の公用車から400メートルの距離にあり、習近平が車を降りて人民大会堂に入ってからかなり時間がたってからの出来事だったそうです。

ですがこの車両爆破事件の話を聞いて習近平は急に腹痛を訴えた。それは自分を狙った暗殺未遂だと思って怖くなったからだというのです。

ちょっとありえない話にも聞こえますが、中国共産党事情に詳しい友人は、もしフェイクニュースであれば、もっと緻密な暗殺計画を流布するのではないか。ものすごく杜撰な暗殺計画だからこそ信憑性がある、と言っていました。

それからしばらくして中央軍事委員会副主席の范長龍が一時期拘束されていました。このクリスマスイブの暗殺未遂事件に関わっていると疑われて取り調べを受けているとみられていました。

結局、范長龍は関わっていないと判断され、釈放されましたが、実行犯として軍人が処刑されたという話をあとで聞きました。こういう話はなかなかウラが取れませんので、どこまでが噓でどこまでが事実なのかはわかりません。

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