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米韓を困惑させた「北朝鮮の謎の飛翔体」の正体

2019年09月10日 公開

能勢伸之(フジテレビ報道局上席解説委員)

能勢伸之(能勢伸之)

フジテレビにて報道局上席解説担当役を務める能勢伸之氏は長期に渡り防衛省問題担当し、各国の軍事情勢に精通している。その能勢は、アメリカと旧ソ連が締結していた通称「INF条約」がアメリカ・トランプ政権によって破棄されたことにより、米中露は新兵器開発を進め、世界情勢は新たな危機に直面するという。一体、何が起こるのか?月刊誌『Voice』での同氏の寄稿より、その一節を紹介する。

※本稿は月刊誌『Voice』2019年8月号に掲載された「INF条約無効化で崩れる「均衡」」(能勢伸之)より一部抜粋・編集したものです。

 

北朝鮮が放った正体不明の飛翔体

2019年5月、北朝鮮は二度にわたってミサイルや多連装ロケット砲、自走砲の発射訓練を行ない、事後、発射した兵器の画像を公開したが、奇妙なことがあった。北朝鮮に対する米・韓の"逡巡”である。

5月4日、韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮が「同日午前9時6分ごろ、日本海側の元山近辺から、短距離ミサイルを発射」と発表したが、同日午前10時11分、聯合ニュースは「韓国軍が『数発の飛翔体』に修正。70~200㎞飛行した(のちに70~240㎞に修正)」と報じた。

翌5日、北朝鮮の『労働新聞』や朝鮮中央放送等のメディアが、金正恩委員長が「大口径長距離放射砲(=多連装ロケット砲)や新型戦術誘導兵器の運用能力などを点検」する「火力打撃訓練」を視察した、と報じた。

記事に使用した兵器の名称はなく、添付されていた画像には、三種類の兵器が写っていた。KN-09と呼ばれる300㎜多連装ロケット砲と「主体100」と呼ばれる240㎜多連装ロケット砲、それに、ロシアの自走式弾道ミサイル/巡航ミサイル・システム、イスカンデルで使用される9M723(または、9M723-1)短距離弾道ミサイルにそっくりだが、先端や翼の形状が微妙に異なるミサイルで、米軍から「KN-23」と呼ばれることになった。

北朝鮮メディアのいう「新型戦術誘導兵器」が、この"KN-23”を指していたのなら、北朝鮮もまた「弾道ロケット(ミサイル)」という言葉を避けていた可能性がある。

北朝鮮は、もともと、国連安保理決議第2087号で「弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も……実施しないこと。弾道ミサイル計画に関連するすべての活動を停止すること」が求められていた。北朝鮮の五月の発射は安保理決議に違反したのか。

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「弾道ミサイル」に定義できない飛翔経路 >



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