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「飛行機の飛ばし先がない…」韓国の反日感情が生んだ”自業自得”の経営難

2019年11月22日 公開

渡邉哲也(経済評論家)

 

韓国の航空業界は火の車

昨今の動きで、象徴的なのはLCC(格安航空会社)の問題だ。

2019年夏、筆者は台湾・花蓮、台東などを統括する行政院執行長 許傳盛氏と連絡を取った。以前から彼は花蓮と日本の相互観光を進めたいとしていたからだ。

花蓮には空港はあるが、日本からの直行便や海外便はない。これまで香港エクスプレス(キャセイパシフィック航空の子会社)が香港―花蓮間を就航していたのだが、2019年になって廃止されたのだ。現在、花蓮と日本を結ぶ便はない。

そのため、日本から花蓮に行くには台北からコミューターに乗るか、鉄路(特急で約二時間)で向かう必要がある。これが相互交流の大きな妨げになっているわけだ。

このため、日本から花蓮便を就航させれば100人以上1フライトにつき、100万円の到着奨励金を出すという話が持ち込まれた。

台湾の政治家は、韓国内で反日感情が高まり日本旅行を控えようという動きになって、LCCが日本就航便の枠を減らした状況をよく見ている。地方空港で、チャーター便でもいいから、就航してもらえないかという日本にとっては旨味のあるオファーである。

仮に実現すれば、韓国で反日感情が沈静化され路線再開となっても、すでに台湾路線に取って代わられているために日本に飛行機を飛ばせないという状況に陥ってしまう。

韓国としては、日本便を削減した分を中国に振替えようとしたが、中国は2019年10月10日まで新規就航を認めないと突っぱねたことはすでに報じられていた。

 

航空会社は破綻状態

路線減は韓国にとって想像以上の痛手になるのは間違いない。

韓国の2大航空会社は大韓航空とアシアナ航空。もっともアシアナ航空84機のうち50機がリース機であり、リース比率が非常に高い。急激に業務を拡大したため、その拡大部分をLCCで補ったのである。アシアナの子会社エアプサンと、エアソウルの2社とも、ほぼすべてがリース機である。

アシアナ航空は比較的大型機が多いが、それも老朽機が大半を占める。オペレーションリースという、たとえば6年の契約をすると途中解約できない方法で借りているため、6年間はリース料を払い続けなければならない。

そのため自社で運航できない場合には、どこかに回さないといけない。ところが自ら日本路線を減らしてしまったから回すところがない。

こうしたことで経営状況が悪化し、現在はほとんど銀行管理の状態で、実質破綻状態にあると言っていい。

2019年10月に子会社2社をチェジュエアーに売却予定であったが、決算が〝真っ赤っ赤〟。さらに7月になって、日本との関係が一気に悪化し、廃線・休線が続き期待した中国便への振替えもろくにできず、決算はいっそう悪化するとみられている。

飛行機の飛ばし先がなくても、リース料は毎月確実にかかる。飛ばさなければ駐機しておくことになり、駐機料もかかってくるという悪循環。韓国の経済破綻は、まず、航空会社から始まるかもしれないと言われるのはこうした背景がある。



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