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「会社に搾取され続ける人・そうでない人」を分ける数学的思考

深沢真太郎(ビジネス数学教育家)

2023年02月14日 公開 2024年12月16日 更新

 

人生を変えたければ、定義を変えなさい

「後ろ向き」を「前向き」に変えるほどの劇的な変化を求めるとき、すなわち何かを根本から変えたいとき、私たちは数学的な考え方を活用しています。例えばこんなテーマを考えてみましょう。

【演習問題】

あなたの後輩である新人が会社を退職したいと申し出てきた。理由を尋ねると、「会社にこき使われるのは嫌だ」とのこと。さて、あなたは先輩としてこの新人を引き止めるために、どう説得を試みますか?

「俺も新人の頃は会社にこき使われたモンだよ」といった言葉では説得になっていないような気もします。これこそまさに根本から考え直させたい局面ではないでしょうか。

根本から考え直す = 定義を変える

この考え方を適用するなら、あなたはこの新人の仕事を再定義する必要があります。私ならこんな言葉をかけるかもしれません。

「今の仕事」を再定義しなさい。会社に使われているのではなく、今は会社を利用していると考えてはどうだろう。

今の状況はどうせ「今だけ」だし、先輩社員たちをよく観察して成果を出している人とそうでない人、新人の扱いが上手な人とそうでない人、その違いを新人の目線で分析しなさい。それが来年のあなたの仕事の仕方に直結するし、あなたが新人に向けてアドバイスするときのいいネタになる。

「搾取されている場」ではなく「入手している場」、「利用される場」ではなく「利用する場」にしたら?

重要なのは私の答えではなくあなたの答えです。さて、あなたならどうしますか。

ひとつ確かなことは、このような場面でこの新人が再定義できるかどうかは、その後の人生にも少なからず影響するということです。

人生を変えたければ、定義を変えなさい。

私が学生などに授業をするときに発する言葉です。これは学生に限らず誰にでも共通して言えることだと思っています。

あなたももし何かに行き詰まっていたら、「何か違うような気がする」と感じることがあったら、大胆に定義を変えてみると道が開けることもあるかもしれません。

 

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