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枕の素材は何が良い? 専門医が語る「ぐっすり眠れる寝具」選びのコツ

白濱龍太郎(睡眠専門医)

2023年07月14日 公開

うまく寝つけない...、寝ても途中で起きてしまう...など睡眠に関する悩みを抱えている人は多くいます。少しでも睡眠の質を高め、ぐっすりと眠るにはどうしたらいいのでしょうか? 睡眠専門医の白濱龍太郎さんが、よく眠るためのストレッチ、そして睡眠に重要な寝具選びのポイントを紹介します。

※本稿は、白濱龍太郎著『ぐっすり眠る習慣』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

寝る前の「ぐっすりストレッチ」がとにかく効く

ぐっすり眠るために、寝る直前の軽いストレッチがおすすめです。そもそもストレッチには、動的ストレッチというラジオ体操のように反動をつけて筋肉を伸張するものと、制止した状態で筋肉を伸ばす静的ストレッチがあります。

前者はいわゆる準備体操で、交感神経を優位にします。後者は副交感神経が優位に働きやすくなり、リラックスした状態になります。就寝前にストレッチをするなら、静的ストレッチがおすすめです。全身の筋肉を伸ばす必要はありません。

例えば、ふとんの上であおむけになり、深呼吸しながら足首をゆっくり手前に曲げて再び戻す動作を、1分ほど行うだけでも効果があります。それにより、足の血行を促進し、深部体温を下げることができます。

呼吸は止めず、ゆっくり息を吐くことを意識してください。そうすることで、より副交感神経に働きかけることができ、熟睡効果が高まります。

この「ぐっすりストレッチ」に加え、日中の適度な運動もおすすめです。運動不足なら、近所を散歩するなどのウォーキングをしましょう。

ウォーキングのようなリズミカルな反復運動は、セロトニンの分泌をうながすことがわかっています。夜にはセロトニンをもとにメラトニンが作られるので、不眠症の改善に役立ちます。

息が上がらず、軽く汗ばむくらいの速さで、一定のリズムを意識しながら30分程度ウォーキングしましょう。8000歩が目標です。

ウォーキングが難しい場合には、屋内で使える子ども用トランポリンで跳ねる程度でもかまいません。可能な範囲で、できるだけ有酸素運動をするように心がけてください。

おすすめは、短時間で効率よく負荷をかけられる「踏み台昇降」です。エクササイズの詳しい内容については割愛しますが、要するに段差をリズムよく昇り降りするだけです。

高さ20センチほどの安定した台があれば、すぐにでもはじめられます。自宅に階段があるならば、それを活用してもいいでしょう。時間は10分程度を目安にしてください。

こういった有酸素運動は交感神経の刺激にもなるので、朝から昼間にかけての時間帯にやるのがベストです。日中のサイクルにメリハリが出て、メンタル面でもプラスに働きます。仕事などの能率も、意識的に身体を動かしてからのほうが向上するでしょう。

アメリカのノースウェスタン大学が行った研究では、こうした運動を継続的に行うことで睡眠時間が平均45分増えた、と報告されています。そのほか、運動を長期間続けることで寝つきがよくなり、夜中に目を覚ます頻度も減ることが、さまざまな研究から明らかになっています。

 

筋トレするなら、夕方から20時までがベストタイム

1日20分の筋トレが、睡眠の質を改善するというエビデンスもあります。筋肉はトレーニングによっていったん筋繊維が壊れ、それが修復されるときに増強される仕組みになっています。

その際に必要な要素のひとつが、成長ホルモンです。筋トレ後には、長時間たっぷりと成長ホルモンが分泌されます。そして、成長ホルモンは寝入りばなのノンレム睡眠でも自然と分泌されます。

その相乗効果を狙って、夕方から20時ぐらいまでのあいだに筋トレすると、寝ているあいだにより筋肉を増強させることができるのです。

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