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EUが環境問題に熱心な理由は? 背後にある“アメリカへの挑戦状”

内山力(MCシステム研究所代表取締役)

2023年07月24日 公開 2024年12月16日 更新

 

GXによって三分割される世界

日本を取り巻く世界は今、GXにより三分されている。

その中心はデカップリングのEUである。グリーンによってダメージを受けても、それを超えるリターンが見込める元世界チャンピオンである。「グリーンを政治リーダーのフランス、経済発展を産業リーダーのドイツが」というデカップリング構造である。

2番目がこのデカップリングの調整ができず国が二分されてしまい、グリーンへの対応に悩む現世界チャンピオンのアメリカである。

3番目は風雲児の中国である。産業革命の恩恵を受けられず、戦争によってダメージを受け、その後共産主義を取ることで閉鎖社会となって伸び悩み、この門を開くことで急成長を遂げてきた。グリーンでは遅ればせながら2020年に、ワールドスタンダードから10年遅れの2060年ではあるが、カーボン・ニュートラルを宣言した。これは次期世界チャンピオンへの挑戦宣言であり、世界をリードする意欲とも言える。

日本が今、「GX」に舵を切ろうとしているのは、まさにこうした新しい世界秩序の中で、EUとならび日本が世界の環境リーダーになる絶好のチャンスだということでもあるのだ。

 

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