「完璧を目指すあまり、失敗が怖くて行動できない」「自分に自信が持てない」...このような悩みを抱える人は、先送りグセの持ち主かもしれません。
おうち起業コンサルタントの三上美幸さんもかつてはその一人でした。しかし「すぐやる」ことを心がけてきた結果、充実した人生を送ることができてきたと振り返ります。
三上さんが実践してきた「すぐやる」ためのコツがまとめられた著書『結局、「すぐやる人」がうまくいく』より、完璧主義から抜け出す効能についてご紹介します。
※本稿は、三上美幸著『結局、「すぐやる人」がうまくいく』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです
料理の腕が上がるのを待っていたら、いつまでも彼にご馳走できない
何かを始めるときに、つい完璧を目指して準備に時間をかけていませんか。
多くの人が「もう少し準備ができてから」「もっと知識がついてから」と考えがちです。実はその思考が「すぐやる」ことの妨げになります。準備をしすぎると、結局動き出せずに時間ばかり過ぎてしまうのです。
私はもともと慎重なタイプで、「完璧にできるようになってからやろう」と考える完璧主義でした。完璧主義になった背景には、過去の経験が影響しています。
実は、小中高時代にいじめにあっていました。当時の私は「勉強もできない」「運動もできない」子でした。そうか、私は「何もできない」からいじめにあっているんだ。すべてできるようになれば、こんなひどい目にあわないはず。私はすべてできる人(=完璧にできる人)にならなければいけない......。
いつしかそんな風に考えるようになりました。社会人になってから、その考えが如実に表れていたのです。
完璧主義偏重の考えに変化が訪れたのは、起業がきっかけです。物事がなかなか前に進まないという現実にぶつかりました。
「あれもできていない。これもできていない。だから、次のステップに進められない。いったい、どうしたらいいんだろう」
考えあぐねていたところ、あるコンサルタントにこう言われました。
「準備は3割でいいんです」
えっ、そうなんだ。子どもの頃のいじめの影響もあり、何もできない自分にコンプレックスを感じていたので目からウロコでした。その目の覚めるようなひとことで、思い込みによる呪縛が解け、考えを変えていきました。
言われてみれば、その通りだと腑に落ちたからです。
思い出したのは、かつて、つきあっていた人に手料理を食べてもらおうと思ったときのことです。当時は、「つくってあげたいけどまだ下手だし、もっとおいしくつくれるようになってから披露しよう」と考えすぎてしまったのです。
ただそれだと、なかなか料理の腕は上がらないし、どの段階なら「おいしい」と喜んでもらえるのかゴールもわかりません。結局、いつまで経っても実現できず、料理を振る舞う機会を逃してしまいました。
起業においても全く同じことが起こったのです。準備ばかりで行動に移せず、収入につながらない。しかし、コンサルタントのひとことで、完璧主義をやめ、準備3割で動き出すと、徐々に成果が出るようになったのです。
頭では「準備3割」と思っても、実際には7割できていることが多い
先ほどお伝えした「準備3割」。それはどのくらいの準備の量でしょうか。
イメージとしては、自分では「まだ準備が足りていない」と感じる程度が準備3割の量です。これが、すぐやる人の「準備に対する基準」となります。
私自身、最初にイベントの日時が決まってから動き出すことが多く、時には0割の状態からでもスタートします。
「まだ準備が足りない」という状態でスタートしていい理由は、「準備3割」といっても、たいていの場合、私から見れば「7割くらいできている」ことが多いからです。
自分の視点と客観的視点に差があり、自分では「まだ準備が足りない」と感じる段階であっても、実際には十分にスタートできる状態である(準備が3割以上はできている)ことが多いということです。特に日本人は真面目なので、自分ではできていないと思っていても他人からはできていると思われるものが多いと思います。
私はイベントの企画・運営なども行っていますが、一番最初にリアルイベントを開催したとき、決まっていたのはイベント名と場所だけでした。詳細な運営方法やルールは未確定だったのです。
それでも出店者と対話しながら調整し、イベントを形にできました。結果として、出店者や来場者に喜んでもらえ、次の開催につながりました。
あらゆる準備をしてからイベントの場所や日程を決めていたのでは、どんどん開催が遅れるばかりか、開催そのものが危ぶまれる場合もあるでしょう。
特にイベントは、参加者の人数や天候、交通の遅れなど予測できない要素がつきものです。予測できない要素が多いものほど、細かい計画を立てすぎるより、動きながら改善していくほうが正解です。
最初の段階では完璧を求めず、ある程度の方向性を決めたら、実践しながら修正を加えていくことが成功のポイントになります。
ただし、準備不足でスタートしていいとはいえ、何もかも無計画に進めていいわけではありません「締め切り」と「最低限の譲れない目標」の2つはしっかりと設定しておくといいでしょう。
たとえば、イベントを開催する場合、開催日(締め切り)が決まれば、それに向けて準備を進めていかなくてはなりません。出店者の募集、チラシの作成、告知などをスケジュールに組み込めば、自然とやるべきことが明確になります。
どんなプロジェクトでも同じです。「いつまでに何をするか」(○月×日にイベントを開催する)が明確になると、自然と行動は加速していきます。
2つ目の「最低限の譲れない目標」も大切な要素です。たとえば、料理の練習をするとき、「子どもの誕生日までに野菜がゴロゴロ入ったカレーをつくれるようになる」と決めれば、締め切りと具体的な目標が設定されます。
同じように、ダイエットをするなら「7月には女ともだちとプールに行くから6月末までに3kg減らす」と決めることで、行動が具体的になります。周りの人を関わらせた目標設定にするのがポイントです。
締め切りが決まると、やるべきことが明確になり、優先順位がつけやすくなります。そして、完璧ではなくとも、まずは走り出すことができるのです。
もし「まだ準備が足りない」と感じて、なかなか行動に移せないなら、自分が思っているよりも早くスタートして大丈夫だと考えてみてください。 「準備3割で進める」どころか、「まだ0割かも」と思う状態でも、走り出してしまえば、実は十分だったと気づくことも多いのです。
いきなり準備3割といわれても、と思うなら、小さなことから始めてみましょう。小さな成功体験をすることで、「準備3割でも全然OK」であることがわかってきます。