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燃え尽き症候群になりやすい人の特徴は? 定年前後の“心の健康を保つ”習慣

大塚寿(エマメイコーポレーション代表取締役)

2023年09月28日 公開 2024年12月16日 更新

55歳の会社員を待ち受ける「役職定年」「年収ダウン」「燃え尽き症候群」...周囲からは「パフォーマンスの落ちたシニア」と評価されてしまうことも。多くの困難が待つ「55歳の壁」を乗り切るにはどうすれば良いのでしょうか? 大塚寿氏が解説します。

※本稿は大塚寿著『今からでも間に合う!会社人生「55歳の壁」突破策』(かや書房)を一部抜粋・編集したものです。

 

「役職定年」は事実上の「戦力外通告」 

令和の時代、ビジネスパーソンにとって「55歳」は事実上、最大の節目となる年齢なのではないでしょうか。

そう、「役職定年」です。企業によっては「役職定年」自体がなかったり、あっても部長や課長という役職ごとに対象年齢を変えていたりするケースも散見されます。しかしながら、「55歳」を「役職定年」とする企業が一番多いに違いありません。

この「役職定年」は、後進に道を譲る合理的な制度ではありますが、対象者にとっては事実上の「戦力外通告」であり、モチベーション・クライシスの深刻な原因になっています。

役職手当がなくなるので、年収は2割から3割は下がりますし、企業によっては年収が半減してしまう場合すらあるのです。

8割が「課長」にすらなれない令和の時代、管理職でない人に「役職定年」は意味がなさそうに聞こえますが、役職のない55歳にとっても年収ダウンや戦力外通告的なことが起こっています。

子会社や取引先への転籍、閑職への異動だけでなく、退職金を割増す「早期定年制」も、そのターゲットは50代です。

要はコストパフォーマンスが一番悪いのが50代ですので、会社としては、人件費を抑制するために、50代をできるだけ減らしたいというわけです。

「だったら、他の会社に転職」としたいところですが、退職金を割増しても50代の社員に辞めてほしい企業が50代を採用するはずがありません。年収が一番高いのが50代になりますから、正規の転職市場では相当な年収ダウンを飲んでも、希望する転職は難しいのが現実です。

「シニア転職」「50代の転職」と検索しても、出てくるのはネガティブな記事ばかりで、たまにある明るい「ハイクラス転職」の事例は、今の自分ではマネのできないプロフェッショナル50代の例外的なお話に思えてしまうのではないでしょうか。

 

「パフォーマンスの落ちたシニア」に見られていないか

さらに気になるのが、55歳前後のビジネスパーソンの何割かを象徴する「パフォーマンスの落ちたシニア」という表現です。

この表現、シニアに強い転職エージェントでも、50代の社員の上司でも、50代の採用を決める人事部長、プロジェクト・マネージャーの話にも必ず出てきます。

ネット用語の「妖精さん」や職場の若手が用いる「仕事をしないおじさん」は極端な例に違いありませんが、「30代、40代の時のようには働けない」と自分を甘やかしてしまったり、「若いころに十分やったから」と仕事のスキルのアップデートを怠ってしまったりといったことはあり得ます。

場合によっては「燃え尽き症候群」的なことや、積年の会社や組織への不満が、周りからは「パフォーマンスを落としたシニア」に見えてしまうのかもしれません。

あるいは、親の介護や熟年離婚で家族に振り回されて疲弊してしまい、仕事どころではなくなってホントに仕事のパフォーマンスを落としてしまうシニアも、この目で見てきました。

このように役職定年、事実上の戦力外通告、年収ダウンにもかかわらず、転職も難しく、ただでさえ周りからは「パフォーマンスを落としたシニア」と評価されるリスクと常に向き合わなければならない現実が、「55歳の壁」です。

1980年代以前であれば、この55歳が定年だったからか、「55歳の壁」など存在せず、そのままリタイア生活に入れば済んだ話です。ところが、現在はどうでしょうか?

人生100年時代、まあ90歳まで生きるとして、「55歳の壁」以降もこれまで働き続けた期間をこれから生きていくのです。例の、年金だけでは不足する「2000万円問題」もあります。

65歳定年、70歳までの定年延長努力目標といっても、事実上は60歳で定年、65歳までは再雇用ながら年収は新入社員並みというのが大勢ですから、60歳以降をどうするかを考え始めるのも定年がリアルになる55歳というわけです。その億劫さを「55歳の壁」と感じる人もいるはずです。

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「自分の居場所」は5つ以上持つ

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