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仕事

数多の会社員をみて判明した「仕事ができる人」になる最短ルート

安達裕哉(ティネクト株式会社 代表取締役)

2023年12月11日 公開

多くの人が資格の取得や思考力を磨いて、「仕事ができる人」になるべく努力を重ねています。しかし、思うように成果が出せず焦燥感を抱いている方もまた多いのではないでしょうか。コンサルタントの安達裕哉氏は、これまでに数多くの企業をみた経験から効果的に、早く、「仕事ができる人」になれる"最短ルート"が存在したと語ります。

※本稿は、安達裕哉著『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』(日本実業出版社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

「やってみたい」は迷信、「やってみた」は科学

知人の経営者に、誰かが「将来、○○をやってみたいと思います」と言うと、すぐに、「で、あなたはいま、いったい何をしているの?」と切り返す人がいる。

まあ、嫌なやつである。だが、彼は好んでイヤミを言っているわけではない。彼が言うには、「やってみたい」と「やってみた」の間にはとてつもなく深く広い溝があるから、本人のために言っているのだそうだ。

E:「やってみたい」と「やってみた」の2つはまったく違う次元の話だ。これは、「本気度」のような抽象的な差ではない。

G :本気度でないとすれば、どんな差がある?

E :簡単だよ。「やってみた」は科学。「やってみたい」は迷信。

G :......どういうこと?

E:やってみれば、データが取れる。それをもとに、もっとうまいやり方を考えられる。実験ができて、きちんと検証でき、再現できれば科学だ。でも......。

G :でも?

E :やったことのない人は、単なる思い込みや推測でしか動けない。要するに、迷信めいたものをあてにしているということだ。独立したいなら、実際にお客さんを訪ねて回って、商品を見せてみないとデータが取れないだろう。

G :でも、それが怖いと思う人もいるのでは?

E :迷信だって皆怖がっていた。ジェンナーという医学者を知っているかい?

G :天然痘ワクチンを発明した?

E :そう。ジェンナーは科学的な検証によって、ワクチンをつくった。でも、迷信を信じる人は、「ワクチンを打つと、牛になる」と言って、怖がった。確固たる証拠もなく。

G :なるほど。

E :ガリレオ・ガリレイが落下の実験をするまでは、重いものは軽いものよりも早く落ちると皆信じていた。

G :そうだったな。

E :要は、実験するまで何が起きているのかを正確に理解するのは難しいということだ。必要なのは、実験と、データだよ。思い込みや、当て推量じゃない。

G :......。

E :会社でも、部下に言うよ。怖がってないで、さっさと仮説を証明するために、データを集めろってね。

私は、それを聞いたとき、さまざまな会社のなかで、いかに「思い込み」や「当て推量」で語る人が多いかを思い出した。

 

【やってみたい:ビジネスパーソンAさん】

A :将来独立したいです。

E :で、いまはいったい何をしているの?

A :いまは、独立するための勉強をしています。

E :勉強するなら、いますぐ会社員を辞めて、独立するのが一番勉強になるよ。

A :いや、独立するだけではなくて、独立して成功しなきゃ意味ないでしょう。いまはそのときじゃないんです。まだ私には人脈も知識もない。それを手にするまでは独立できません。

 

【やってみた:ビジネスパーソンBさん】

B :将来、独立するつもりです。

E :で、いまはいったい何をしていますか?

B :すでに800万円貯めました。1年後に独立するため、いまは見込みのお客さんになりそうな人を訪ねています。

E :そうか。一緒に頑張ろう。

 

【やってみたい:学生Cさん】

C :英語を話せるようになりたいです。

E :で、いまは何をしているの?

C :英会話の学校に通おうと思います。

E :まだ学校にも行ってないの?

C :いま研究が忙しくて......。どうやったら効率よく勉強できるか考えています。

 

【やってみた:学生Dさん】

D :英語ができるようになりたいです。

E :で、いまは何をしているの?

D :2年後に、留学をするためのテストがあります。それに合格するために、留学専門のスクールに通って、合格者に勉強法を聞いています。1人すごく親切な方がいて、そのやり方を真似しています。

E :それなら絶対合格するよ。

「やってみた」と「やってみたい」は明らかに違う。

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「まず案を出す」重要性

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