出店場所を細かく分析...“マクドナルドの立地戦略”の秘密
2023年12月13日 公開 2024年06月19日 更新
ドライバーから、いかに「気づいてもらえるか」
続けてもう一問行きます。上のイラストをご覧ください。
あなたはロードサイドに出店しようとしています。さて、アウトカーブとインカーブ、どちらに出店しますか?
答えは出たでしょうか? では、解説していきます。
マクドナルドは立地戦略に基づいて、足並みが揃った出店をしていると感じています。店舗数は非常に多いのですが、出店場所を細かく分類して、それこそ数百通りほどにも分けて、売上予測を立てていると聞いています。
それだけ綿密な出店をしているマクドナルドは、ロードサイドのカーブの立地に際立った特徴を持っています。
カーブには、アウトカーブとインカーブの2種類があります。店がカーブの外側にあるのがアウトカーブ、店がカーブの内側にあるのがインカーブです。
マクドナルドは、カーブに出店する場合、どちらに店舗を構えるか決めています。どちらだと思いますか?
正解は、アウトカーブです。カーブしている道の外側、カーブの中盤から曲がり切るかどうかの場所に出店しています。なぜアウトカーブなのでしょうか。
その理由はドライバーの目線でわかります。クルマを運転しているとき、どちらのカーブの場合も視線はカーブの外側のほうへと動きます。
よって、アウトカーブに店を構えれば、カーブを曲がるとほぼ真正面にお店が見えてきます。しかも、お店のかなり手前、カーブの曲がりに差し掛かったあたりからお店が見えてきます。
一方で、インカーブに店を出しても、視線はカーブの外側のほうへ動きますので、反対車線のほうを見ていることになり、店には目がいきにくいのです。
ただし、右から左へカーブする道のアウトカーブ側にお店があったとしたら、真正面にお店は見えてくると思うのですが、左側通行のため見えにくいうえ、お店にはかなり入りにくいですよね。
よって、マクドナルドはアウトカーブ、しかも二車線道路ならば左から右へカーブしている場所を中心に出店しているのです。
今度、運転されるときは、お店がアウトカーブに多いことを実感していただきたいと思います。二車線道路の場合、左カーブと右カーブのどちらのお店に目がいくかも、意識して見ていただくと面白いでしょう( ただし、くれぐれも安全運転でお願いします)。
運転しない方は、ショッピングモールでもなんでも、カーブしている道を見つけたら、「カーブの内側と外側のお店、どっちが目につくか」を試してみてください。内側よりも外側のほうが目に入りやすいと思います。
このように、ドライバーの目線まで考慮したうえで、出店先は決められているのです。