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ぽっこりお腹の撃退法 パーソナルトレーナーが腹筋より“大腰筋”を重視する理由

坂村純子(パーソナルトレーナー)

2024年07月17日 公開 2024年12月16日 更新

「ぽっこりお腹」と「脚の太さ」に悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか? 腹筋運動で改善を試みた経験のある方も多いはず! しかし、パーソナルトレーナーの坂村純子さんは、これらの方法では効果が出にくいばかりか、腰痛などのリスクも高めてしまう可能性があると語ります。本稿では、お腹と脚に効果的なエクササイズをご紹介します。

※本稿は坂村純子著『オトナ女子の「やっかいな疲れ」がとれる大全』(大和出版)より一部抜粋・編集したものです。

 

鍛えるべきは大腰筋

40、50代の女性の体のお悩みNo.1は断トツにぽっこりお腹。そしてその「ぽっこりお腹を引っ込めたい」という目的で一番多く行われているのが腹筋ではないでしょうか?

でも、実は、昔ながらの腹筋ではぽっこりお腹を引っ込めることはできません。それどころか、今では腹筋運動は、腰を痛める危険性が高いともいわれています。そもそもぽっこりお腹の原因は、単に脂肪がつくからだけではないのです。

脂肪以外に考えられるのは、普段の姿勢が大きく関係しています。骨盤が後ろに倒れることで、猫背になって下腹が出たり、骨盤が前に倒れて反り腰になることで、下腹部が前に押し出されて腹圧(体の中心部を支える力)が弱くなりぽっこりお腹になるというわけです。

そして、この猫背、反り腰という骨盤の向きに大いに関係してくる筋肉が、「大腰筋」という筋肉です。大腰筋は、人間の体の上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉。背骨と大腿骨をつないでいます。

この筋肉の役割は背骨を引っ張り、骨盤を支え、脚を持ち上げる働きをします。ここが衰えると姿勢が崩れるため、たるみやぽっこりお腹が定着してしまいます。あなたが本気で、ぽっこりお腹をなんとかしたいのであれば、腹筋運動ではなく、大腰筋を鍛えたほうが、はるかに効果が期待できます。

 

脚が細くならないのは前もも以外の筋肉を使っていないから

また、お腹だけでなく脚についても同じです。体重は落とせてもなかなか脚が細くならない......とお悩みの方もいらっしゃると思いますが、そんな方に多いのは太ももがパンパンに張ってしまっているということ。そうなってしまうのは、日常生活において、歩いたり立ったりする中で前もも以外の筋肉がほとんど使われていないから。そのため、すべて前ももに負担がかかってどんどん逞しくなるのです。

そんな前ももの張りをスッキリさせて、脚やせを目指すなら、やはり大腰筋を鍛えること! 大腰筋は、股関節を屈曲したときが最も一番大きな力を発揮するため、脚を持ち上げやすくなります。そしてなによりも大腰筋は脚を動かすエンジンといわれているので、立つ、歩く、走る等の日常の動きで前ももの負担が軽減されて、張りも解消されます。 だから脚やせにつながるのですね。

ここからは、大腰筋をひねって筋肉を硬くするのではなく、柔らかくして動きやすく疲れにくくなる体になるための運動をお伝えします!

 

ぽっこりお腹は呼吸から(骨盤後傾前傾)

●反り腰はお腹の筋肉がゆるみやすくなる
●反り腰のまま、正しい呼吸をしてもぽっこりお腹は改善しない
●背中を丸めることが反り腰の改善につながる

反り腰になると背面の筋肉が緊張し、逆にお腹側の筋肉がゆるみやすくなります。そして、お腹の筋肉がうまく働かないと骨盤が前に倒れてしまい、下腹部が前に押し出され、腹圧(体の中心部を支える力)が弱くなりぽっこりお腹になってしまいます。ぽっこりお腹に関係しているのは、最深部のコルセット筋とも呼ばれる「腹横筋」。この筋肉を働かせるには呼吸が最重要!!

でも、骨盤が前傾したり反り腰のまま呼吸しても、ぽっこりお腹は改善されません。骨盤を後ろに倒して息を吐いて背中を丸めることにより、「腹横筋」が働きやすくなりお腹に力が入るのです。また背中を丸めることで反り腰の改善にもなります。

・ 息を吐きながら背中からではなく骨盤から倒す
・ ゆっくり少しずつ吐いていく
・ お腹に力が入るのを感じて、少しずつお腹を凹ましながら限界まで息を吐いて吐ききってください。

そこまで吐くと腹横筋がうまく働き出します! 呼吸だけで反り腰、ぽっこりお腹に効果あるならやるしかない! ですね

 

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