誰もが「お金は大事なもの」だと思っているのに、実際にお金の勉強をきちんとしている人は意外と少ないもの。お金の心配をせず「本当にやりたいことをやれる」人生を手に入れるには、お金に強くなる必要があります。そのための第一歩は、「投資によって収入を増やしている人だけが持っている考え方」を取り入れ、実践することで、「投資家思考」を鍛えることです。
※本稿は角田和将著『お金が増やせるのはどっち? 投資家思考の鍛え方』(総合法令出版)より、一部を抜粋編集したものです。
※本稿は2024年7月時点の情報に基づき、投資に対する考え方を示したものであり、個別の金融商品を推奨するものではありません。金融商品の価値は状況によって変動しますので、購入の可否を含む投資の判断はご自身の責任で行うようお願いいたします。
手間をかけずにお金の流れを可視化する
好きなことをするためにも、安定した生活を送るためにも、投資を始めるためにも、お金は必要です。
お金を貯めるには、習慣を変えることが大切です。そして習慣を変えるには、うまくいっている人の習慣を知ることが第一歩になります。
お金に強くなりたいのなら、まずは「お金の流れ」を知り、現状を把握すること。それからどう行動すればいいか、立ち止まって考えてみることが大切です。
自分が何にいくらお金を使っているのかを把握できれば、対策を考えることができます。しかし現状を把握しないまま何かしても、長続きしません。すぐに飽きてしまいます。
お金の流れを可視化しようというと、反射的に「家計簿をつけないと」と思う人も多いのではないでしょうか。しかし、家計簿をつけ続けられる人は、現実にはかなり少ないのではないかと思います。
私自身、あるときから家計簿をつけるのをパタリとやめました。代わりに、"あるもの"で代用することにしたのです。
その"あるもの"とは、クレジットカードの明細書です。
きっかけは、毎月送られてくる紙の明細書を見たときでした。ふと、「これって家計簿と同じじゃない?」と思ったのです。すべての支払いをここにまとめれば、自動的に家計簿ができあがるのではないかと。
しかもクレジットカードは、一括払いの場合、手数料はかかりません。さらに、多くのカード会社では、利用額に応じてポイントなどがもらえます。
自分の時間を使わずしてお金の流れを可視化できるうえに、ポイントまでもらえる。こんなにお得なことがあるでしょうか。ちなみに家計簿を自分でつけるのをやめてから、困ったことは一度もありません。
クレジットカード払いはお金の流れが把握しやすい
現金を使うと、お金をやりとりする手間や、後で家計簿をつける手間が発生します。一方クレジットカードは、支払いの履歴が一発で把握できます。電子マネーも、チャージをクレジットカードで行えば、使った履歴がわかります。いずれも使い勝手の良い支払いツールです。
私は、ものを買うときの支払い方法として、クレジットカードをおすすめします。
とはいえ、「現金のほうが、財布の中を見ていくら使っているかわかるから安心」という人も多いと思います。ですが、今まで現金で支払っているのにお金が貯まっていないのなら、現金を使うことが、特にプラスにはつながっていないといえます。それであれば、支払いの手段を思い切ってクレジットカードに変更するのもひとつの手です。
最近では電気代、水道代、ガス代、携帯電話代など、ほとんどのものをクレジットカードで支払うことができます。一気に集約させることはできなくても、少しずつ移行させてみてはいかがでしょうか。
①まずはできるだけ支払いをクレジットカードに集約する
②どうしてもまとめることができない固定費(家賃など)は口座引き落としにする
この2点を行うだけで、家計簿をつけなくても、ざっと支出を明確にできるシートができあがります。くり返しになりますが、まずは支出を「可視化」することが大切です。ぜひ今日から始めてみてください。
なおクレジットカードのウェブ明細書は、クレジットカード会社のホームページから申し込むことができます。
大枠で把握するなら電子マネーもOK
「でも、少額の支払いでクレジットカードを使うのは恥ずかしい」という人は、電子マネーやQRコード決済などのスマートフォン決済サービスを使うといいでしょう。
今では電子マネーに対応するお店は非常に増えました。電子マネーのチャージはクレジットカードでもできます。よく行くお店で使える電子マネーを用意し、チャージをクレジットカードで行えば、手間なくお金の流れを可視化できます。
ただ電子マネーにすると、「(明細書が出てこないので)何に使ったのかわからない」「コンビニで買ったおやつなのか、交通費なのか、内訳を把握したい」などと感じる人もいるかと思います。
しかし現時点であなたのお金が増えていないのだとしたら、まずはお金を毎月どれだけ使っているか、大枠であっても把握するほうが先決です。細かく分けるのは、支出を可視化することが習慣になってからでも十分間に合います。
「それでもちょっと……」という人は、やはり「ペットボトルの水110円」「缶コーヒー140円」のように細かく家計簿につけていくことになります。それだけでもかなりの時間を要するのではないでしょうか。
ここまでお伝えしても、「クレジットカードを使いたくない」という現金派の人もいるかもしれません。ですが、現金で支払うと、後でレシートなどをチェックしなければならないため、自分の時間を割くことになります。
人は基本的に、面倒だと思ったことを継続することができません。税理士などのように、領収書をまとめてくれる人に依頼できればいいと思いますが、身近に信頼できる人がいないとなかなか頼みづらく、結局は自分でまとめるしかない人がほとんどだと思います。
支払いの履歴がわかるクレジットカードや電子マネーこそ、忙しい現代人にとって使い勝手のいい支払いツールといえます。