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稲盛和夫氏が明かした、部長や課長に選んではいけない人材の特徴とは

稲盛和夫(故人・京セラ創業者)

2024年07月18日 公開 2024年12月16日 更新

 

言い訳をする、逃げ回る、責任転嫁をするような人を要職につけてはならない

経営をやっていますと、いろんな困難に遭遇します。困難に遭遇すると、どうしても怯みます。困難を真正面から受けて解決していくには、たいへんな努力が要りそうだと思うばかりに、つい怯むのです。

そして、真正面からそれを受けて立ち、取り組んでいくというのではなく、他に何かもっといい方法はないか、と考えがちです。これが勇気にもとることなのです。

学問があり、インテリであればあるほど、真正面から困難を受けとめるということをせず、もっといい方法はないかと思うものです。それは勇気に欠けるところがあるからです。勇気がないから、何かうまく処理する方法はないかと考えるのです。しかし、そこで後ろを見せた瞬間に、解決するものも解決しなくなってしまうのです。

またもう一つは、困難に遭遇したときにこそ団結し、その困難を打ち破ろうと思っていた社員の人たちまでが、リーダーが怯んだのを見た瞬間に、逃げの手を打とうとします。

つまり、リーダーに勇気にもとることがあったときには、部下は皆それに倣って、困難を解決するどころか、困難を回避しようとする。その結果、それまで順調にいっていた仕事までがうまくいかなくなります。そういうリーダーでは、部下が尊敬しなくなるのです。

これは何もトップだけの問題ではありません。部長を選ぶにしても課長を選ぶにしても、卑怯な振る舞いのある人、つまり言い訳をしたり、逃げ回ったり、責任転嫁をするような人を要職につけてはならないのです。それは組織が腐敗するもとになります。

しかし、困難に遭遇したり不幸なことに見舞われたり、そういう苦しい状況に追い込まれたとき、勇気凜々となるような人はなかなかおりません。経営者でもそういう人はおりません。困難に遭遇すれば、みんなうろたえるわけです。

うろたえても、少なくとも部下の手前、うろたえてはならんと自分に言い聞かせて、そこから一歩も退かないことです。本人も逃げたい、怖い。しかし、責任上、そこから一歩も退かんという、噓でもいいからそういう勇気が要るのです。勇気を持つ、というのはたいへん大事なことです。

 

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