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大阪維新の会・橋下徹大阪市長の「橋下流仕事術」

大阪維新の会(政調会)

2012年09月07日 公開 2022年12月27日 更新

 

大阪維新の会の顔は、何と言っても橋下徹大阪市長です。大阪維新の会の仕事の進め方の端々に、橋下流仕事術が浸透しています。橋下流仕事術の真髄を、エピソード的に紹介してみます。

《 『【図解】大阪維新 チーム橋下の戦略と作戦』より》

 

議場を議論の場に

大阪維新の会はベンチャー政党です。従来の政党や役所の常識にとらわれない。この発想は政策の立案、展開や選挙だけでなく日常の知事、市長、議員の仕事のやり方にも現われています。ここではこれらの事例を"橋下流仕事術"として紹介します。

2011年10月の大阪府議会で、賃貸住宅の原状回復に関する質問が出ました。

借家人が賃貸住宅を出るとき、借りていた家についてどこまで原状回復すべきかをめぐって、よくトラブルが生じます。東京ではそれを防ぐ条例が設けられているが、大阪でも制定するつもりがあるかどうか、を問う質問でした。

答弁に立った担当部門長は、用意された原稿どおりにノーと答えました。ところが、この質疑を見ていた橋下知事が突然手を挙げ発言を求め、「この条例は必要だと思います。制定に向けて検討します」と公言してしまいました。問題は問題と認め、さっさと対処する。これが橋下流です。

議論の進め方にも橋下流がみられます。どんな議論でも少数意見や反対意見がありますが、普通の首長は、反対派の意見はひととおり聞くだけで終わりというのが多いのです。

しかし橋下は反論をじっくりきくだけでなく「反対なら具体的な代替案を出してください」と対案を求めます。「多数決」の原則は変えませんが、こうすると、実りある議論ができます。また、少数意見を述べるほうも、反対のための反対はやりにくくなります。

 

即断即決

職員との会議でも橋下は議論だけやって結論を出さず次回に繰り越し、といった会議をやりません。議論を尽くせば必ず一応の結論を出す、即断即決が橋下の仕事のやり方です。

たとえば、大阪市長に新任されたときに市長ブリーフィングが行われました。各部局がそれぞれの担当業務について説明するのです。これまでの市長は、黙って説明を聞くだけでレクチャーが終わっていました。しかし、橋下は、説明を聞いている端から議論を始めました。

そして、議論が終わると、「この点は府市統合本部で解決策を探ってください」「こちらはこういう方向でオーケー」「他のやり方がいいのでは」、といった具合に具体的結論を導き出してしまいました。

 

バーチャルなチーム

大阪府の事務・事業は約3000あります。知事がそのすべてに目を通して実情を把握し、判断を下すのは物理的に無理です。府知事時代の橋下は、限界をよくわきまえ、部下に任せたり、外部の特別顧問や特別参与などの有識者のコメントももらって仕事をさばいていきました。

特定テーマについて結論を出そうという場合、橋下は複数の専門家に声をかけて、議論をしてもらいます。その上で何が問題なのか、課題解決のポイントはどこなのかを自分で整理します。そして、最終的な結論は自分で下します。もちろん、その責任は自分で取ります。このような専門家集団を「チーム橋下」とよんでいます。

「チーム橋下」のメンバーは、多士済々です。検討中の課題について専門的知見をもっている人なら、大学の先生、企業経営者、コンサルタントなど、誰でもいいのです。政策決定の前段の選択肢を用意してくれる人、というのが唯一の条件です。

テーマごとに顔ぶれは変わります。そしてテーマ別のバーチャルプロジェクトチームができて、橋下を支えるのです。チームが形成されるプロセスも様々です。ネットを通じて参加をお願いする場合もありますし、テレビを見ていてピンときて声をかけるときもあります。

フェイス・ツー・フェイスに、直接ご本人と会って依頼することもあります。やり方は自在に使い分けています。そしてメーリングリスト上でどんどん議論をするのです。

 

実質的な実務会議を重視

首長のなかには次の選挙のことを考えて、各地域の運動会やお祭りなどのイベントに率先して顔を出す人がいます。しかし橋下の場合は、少しでも時間があれは実質的な実務の会議を優先しています。要はひたすら仕事優先です。

また市長に就任すると何々理事長、何々協会長といった名誉職がたくさん付いてきます。橋下は、就任早々に、そうしたお飾り的肩書きのためのあいさつ回りは基本的にやらないと公言しました。

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