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生活習慣病をおいしく予防...医師が教える「体内の余分な脂を落とすスープ」レシピ

五藤良将(医師)

2024年10月17日 公開 2024年12月16日 更新

「体重がなかなか減らない」「健康診断でコレステロールの数値が悪かった」こうした体のちょっとした問題を放っておくと、後々思いもよらない病気にかかってしまう可能性が高まります。

医師の五藤良将氏は著書『血液と体の「あぶら」を落とすスープ』にて、病気の元凶である中性脂肪や悪玉コレステロールの改善をうながすために「あぶら」を落とすスープを提案します。同書よりその具体的な効果やレシピをご紹介します。

※本稿は、五藤良将著『血液と体の「あぶら」を落とすスープ』(アスコム)より一部抜粋・編集したものです。

 

2週間続けると、スープの効果が少しずつ現れてくる

「あぶら」を落とすスープの目的は、悪魔のあぶらを落とし、悪魔のあぶらがたまらない体質を手に入れることです。2週間続けると、スープの効果が少しずつ表れてくる方が多いです。

最初に効果が表れるのは、中性脂肪です。中性脂肪は、私たちが活動するための大切なエネルギー源として使われています。スープを飲むことで、あぶらをうまく使えるようになると(脂質代謝が改善すると)、血液中の中性脂肪の量は少しずつ減ってきます。

中性脂肪に遅れて効果が表れるのが、コレステロールです。LDLコレステロールの数値が2週間で低下するのはなかなか大変ですが、中性脂肪の数値が改善しているということは徐々にですが低下傾向にあるといえます。なぜなら、脂質代謝が改善すると、LDLコレステロールの生成が抑制されるからです。

こういった「悪魔のあぶら」の数値は検査をしないと出てこないですが、おそらく、疲れにくくなった、おなかの調子が整ってきたなど、実感が出てくると思います。体の変化を実感できると、続けるモチベーションになります。そのための2週間だと思ってチャレンジしてみてください。

といっても、1日1杯、美味しいスープを飲むだけです。2週間分を作り置きしておけば、あとは必要な量をカップに入れてお湯を注ぐだけ。食欲がないときでもスープくらいなら飲めるでしょうし、食の細い方でも負担を感じることなく飲めると思います。

 

ベジファーストの代わりに「スープファースト」

さらに、食物繊維が入った「あぶら」を落とすスープを食事の前に飲むことで、血糖値の上昇を抑えることができます。

みなさんは、「ベジファースト」という言葉をご存じでしょうか?食べはじめに野菜を食べると体によいという食事法です。

食事に気をつけている方は「またベジファーストの話か......」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、もう少し待ってください。ここでベジファーストの落とし穴についてお話させてください。

先に答えを言ってしまうと、食物繊維と合わせて、意識的に脂質をとることが重要です。

たとえば、健康に気を遣って、サラダにノンオイルドレッシングを使う方もいらっしゃると思います。しかし、オイルドレッシングをあえて使ったほうが、消化・吸収がゆっくりになり、血糖値の急上昇を抑えるのに効果的といえるのです。

また、ノンオイルドレッシングには、ぶどう果糖糖液(異性化糖)という中性脂肪を増やしやすい糖が多めに加えられていることもあるので、使いすぎには注意が必要です。

実は、「あぶら」を落とすスープには、食物繊維がたっぷり含まれているのに加えて、良質な脂質も含まれています。ぜひ、食べはじめに「あぶら」を落とすスープを飲む「スープファースト」を試してみていただければと思います。

 

「あぶら」を落とすスープはあらゆるシーンで大活躍!

・朝食のプラス一品に

朝食を抜いたり、軽くすましてしまいがちという人には朝に飲むのがおすすめです。ごはんでもパンでも相性のよい味つけなので、みそ汁やカップスープがわりに飲むことができます。

・小腹が空いたときに

カロリー控えめで栄養バランスにもすぐれているため、小腹が空いたときの軽食にも最適です。とくに、栄養の偏りが気になる人には、おやつがわりに飲むと栄養バランスが整います。

・夜食がどうしても食べたいときに

おなかが空くと眠れない、でも、夜食を食べると太ってしまう......。そんなときにもカロリー控えめな「あぶら」を落とすスープなら安心です。おなかにもやさしいので、睡眠の質を低下させることもありません。

・食事の前に

食事をする前に飲むことで血糖値の上昇をおだやかにすることができます。かつお節に含まれる、うま味成分である「ヒスチジン」が脳内満腹中枢を刺激し食欲をセーブしてくれます。スープでおなかが満たされるため、食べすぎも防げます。

・お酒を飲む前に

お酒を飲む前に飲めばアルコールの吸収をおだやかにし、悪酔いを防げます。また、糖質や脂質の吸収をおさえてくれるため、糖質や脂質の多いおつまみが好きな人にもはとくにおすすめです。

・食欲がないときに

りんご酢に含まれる酢酸やクエン酸、りんご酸には胃酸の分泌を促し、消化や吸収を助ける働きがあり、食欲がないときには最適です。「酸」と聞くと、「胃を荒らすかも?」と思われるかもしれませんが、スープにはいろいろな食材とともにりんご酢が使われているため、おなかにもやさしくいただくことができます。

・ランチタイムに

スープジャーに入れてお弁当のお供に。スープは電子レンジで解凍(69ページ参照)するか、鍋で煮て、熱々の状態にしてからスープジャーに入れましょう。

・ダイエット中に

低カロリーで栄養価の高い「あぶら」を落とすスープを飲めば、ダイエット中の栄養不足が防げます。また、かつお粉の旨味成分であるイノシン酸やしょうがのショウガオール、カテキンなど、代謝を高めてダイエットをサポートする成分もたっぷり含まれています。

 

「あぶら」を落とすスープの素の作り方

《材料》
かつお粉...50g
しょうが...20g
玉ねぎ...1個(200g)
しょうゆ...60g
黒すりごま...大さじ3(18g)
エキストラバージンオリーブオイル...大さじ2(24g)
りんご酢...大さじ1(15g)
粉末緑茶...大さじ2(約7.2g)

《一杯あたりの栄養成分》
エネルギー.........63kcal
たんぱく質.........4.7g
脂質..................3.5g
炭水化物...........2.3g
食塩相当量........1.1g

 

《4ステップで完成!》

①かつお粉、しょうゆ、黒すりごま、オリーブオイル、りんご酢、粉末緑茶をボウルに入れてよく混ぜる。

②玉ねぎをすりおろし、さらにしょうがをすりおろす。

③1に2を入れてよく混ぜる。

④3を製氷皿に詰めて冷凍庫へ(臭い移りが気になる場合は、ラップを被せる)。

 

《お好みで解凍方法を選べます!》

・忙しい方&猫舌さんに

スープの素にお湯を100ml注ぐだけでOK。若干「ぬるめ」になりますが、手軽に作ることができるため、時間がないときにおすすめです。この解凍方法の場合、必ず沸騰させたお湯を使用してください。
※美味しく飲むための注意点...沸騰したお湯を使う

・「やっぱりスープは熱々がイチバン!」な方に

スープの素と水100mlを耐熱容器に入れてラップをして電子レンジ(600W)で約1分30秒ほど加熱してよく混ぜ溶かします。熱々が飲みたいとき、スープジャーに入れて携帯するときにおすすめです。
※栄養価を損なわない加熱時間の目安...600W⇒約1分30秒、500W⇒約1分50秒

・「家族みんなで飲みたい」という方に

人数分のスープの素と水を鍋に入れてひと煮立ちさせながらよく混ぜ溶かします。何人分かを一度に作りたいとき、スープジャーに入れて携帯するときにおすすめです。加熱しすぎると栄養価が損なわれてしまうことがあるので、グツグツと煮詰めないようにしましょう。
※栄養価を損なわないための注意点...ひと煮立ちしたら火を止める

著者紹介

五藤良将(ごとう・よしまさ)

医療法人社団五良会理事長/竹内内科小児科医院院長

1978年、千葉県生まれ。防衛医科大学校卒業、防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊横須賀病院などで自衛隊医官として勤務。その後、津田沼中央総合病院など経て2019年9月に竹内内科小児科医院を継承し院長となる。生活習慣病をはじめとし、診療は多岐にわたる。訪問診療や往診、夜間・休日診療、オンライン診療と、あらゆる方法で最初に患者を診る。

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