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「フライパンを重ね置き」している家庭は注意? 収納下手な人の一つの特徴

大村信夫

2024年12月02日 公開

できる人は「収納」の本当の意味を理解している。スペースこそが大切なのだ。整理ができる人は スペースを8 割だけ使用し、できない人は10割使い切ると言う。収納の本質を片付けのプロ、大村信夫氏が語る。

※本稿は、大村信夫著『仕事の「整理ができる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)より一部抜粋・編集したものです。

 

片付けに悩んでいる人は、詰め込むのを「収納」と勘違いしている

皆さんは「収納」を、どのように認識していますか?

実は「収納」について間違った認識をしており、そのせいで片付けに悩んでいる人が多いと感じています。

「収納」とは、その漢字のイメージからは「収める」「納める」と連続していて、ぎゅうぎゅうと詰め込まれている印象を受けます。

まるでゲームの「テトリス」のように、モノを隙間なく配置していく感覚でしょうか。

確かに隙間をなくせば、スペースは無駄になりません。

例えば、宅配便で荷物を送るときなら、いかに隙間なくダンボール箱の中にモノを詰め込むかが重要です。しかし、宅配便と普段の収納には、決定的な違いがあります。それは一度きりか、普段も使うかの違いです。

普段使う収納スペースに、モノを10割で収納すると、たとえスペースは無駄にならなくても、どこに何があるかを思い出したり、取り出したり、収納したりするのに手間がかかるようになり、時間もかかってしまいます。

そして収納スペースから溢れたモノが、床や椅子などに乱雑に置かれるようになります。

そもそも収納の目的とは、「使わない物をしまい込むこと」ではなく、「モノを次に使うときに使いやすいように配置しておくこと」なのです。

しまい込むのではなくスタンバイをすることが収納です。

そのためにも収納スペースは7〜8割を目安に使用し、2〜3割は残すようにしましょう。

 

よく使うものは、すぐ使えるようにスタンバイしておく

先日、片付けがうまくできない方のご自宅に訪問しました。

そうすると収納効率を最大限にするために、家中のモノがスキマなく収納されていたのです。

例えばキッチンでは、よく使うフライパンを、他のフライパンと一緒に重ねて収納していました。フライパンを取り出すときに、重なっているフライパンを一度取り出して脇において、そのフライパンを取り出し、そして一旦脇においた他のフライパンをまた元の場所に戻すということをしていました。もちろん、しまうときも同じことを繰り返します。

フライパンを重ねることで収納効率は良くなりますが、使うときやしまうときに、かえって手間がかかってしまい、時間効率を大幅に悪くしていたのです。

これだと本末転倒ですよね。

この場合は、よく使うフライパンだけで収納し、すぐに使えるようにスタンバイの状態にします。例えば、壁面にフックをつけてフライパンを吊り下げたり、フライパンスタンドやファイルボックスを置いて「立てる収納」にするなどです。

そして使用頻度の少ないフライパンはまとめて他の場所に収納するのです。

また、モノを詰め込みすぎていると、モノ同士がこすれたり、くっついたりして摩擦や圧力が加わって痛めてしまうこともあります。カビが発生する原因にもなりますので詰め込みすぎは良くないのです。

そういう私は、今日のお昼にラーメン&チャーハンセットを頼んでしまい、胃の中が10割で苦しいです。腹八分目という言葉も同様ですね。

何事も詰め込みすぎは良くないですね(笑)。

著者紹介

大村信夫(おおむら・のぶお)

片付けパパ

青森県三沢市生まれ。静岡県掛川市にて育ち、現在は東京都在住。共働きで3 児(大・高・中)の子育てパパ。
国立大学法人東京農工大学卒業後、家電メーカーに入社。現在もフルタイムで勤務しながら「片付けパパ」として活動。モノを整理することで「心」や「思考」も整理され、プライベートや仕事の進め方、人間関係など人生全体に好循環が生まれるオリジナルメソッドを提唱。これまで企業を中心に「片付け」「仕事の生産性」「キャリア」などのテーマで3 万人以上が受講し、満足度(5 段階評価4 以上)は96%を超える。
新聞や雑誌をはじめメディア取材、執筆など幅広く活動中。

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