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代官山の8坪の「ビールバー」はなぜ生まれた? クラフトビールは生き方を変える

望月大作

2025年07月10日 公開

代官山の8坪の「ビールバー」はなぜ生まれた? クラフトビールは生き方を変える

世の中にはたくさんの名言や迷言、奇跡のような出来事が存在します。でもそれだけではありません。誰かの何かのきっかけになる言葉や行動は十人十色存在していて、それは飾らない何気ない言葉や行動だったりもします。誰がどんな言葉や出来事できっかけをもらったのか、些細なことから大きな出来事までさまざまな分野で活躍されている皆さんに聞きたいと考えて、実際に伺ってきました。

第7回としてお話を伺ったのは、広報・マーケティングに明るく最近ではクラフトビールを介した活動に力を入れている日比谷尚武さんです。今回は特にクラフトビールを通じて見えてきたことを中心にお話を伺ってきました。

 

代官山に誕生した「ビビビ。」というクラフトビールのお店

日比谷さんが共同経営者の友清さんと経営している8坪の小さなクラフトビールのお店「ビビビ。」は東急東横線「代官山」駅からほど近い場所にあります。8坪の小さなお店にも関わらず、「ビビビ。」を通じていろんなことがバタフライエフェクト的に巻き起こっています。

日比谷さんたちがもともと「ビビビ。」を始めた経緯は、コロナ禍がきっかけでレコードバーを閉じたことでした。そこで生まれた空白を埋めるために、日比谷さんはまた何かを始めたいと考えるなか、ちょうど「ビビビ。」のパートナーである友清さんと九州や青森など地方へ出かけていました。

ふたりが地方へ旅するなかで、いろんな土地でお酒を飲んでいると、友清さんがクラフトビール関連の本を書いていることもあって、各地のクラフトビールのブルワリーも訪れるようになります。

そこで日比谷さんと友清さんの間では「クラフトビールをテーマにするのもいいね」となったのでした。

そこから1年ぐらいかけて実際に店を始めるための物件探しをしました。その結果、現在の場所で「ビビビ。」をオープンすることになりました。物件が決まってからオープンまでの期間がわずか一ヶ月だったそうです。開店後の最初の1年間は店をしっかり運営していくために、オペレーションのルールだったり、お店に来てもらうための宣伝をどうするか、お金の管理の仕組みなどに力を入れ、半年経つころには形になっていきました。

 

全国約50箇所のブルワリーをまわり、みんなの現場を見る意味

「ビビビ。」の運営も回り始めた2024年の夏あたりから、日比谷さんたちは「ビビビ。」を作る前にやっていた地方を回って飲むことを、今度はツアーにしてみんなを巻き込んでいくことになりました。

ツアーの最初の行き先は長野で、その後宇都宮へ行ったり、高松に行ったり10〜20人ほど引き連れて地方を回っていました。そうすると一緒に行った皆が面白がり、さらに行った先の地方のファンになってくれると言います。「こんな山奥でビール作ってるんだ!」とか、「地元の街づくりと絡んでブルワリーをやってるのがすごい!」みたいな感想を聴くと、より日比谷さんたちもやる気が出るんだそうです。

日比谷さんたちは地方の人たちを都内に呼ぶのではなく、都内の人たちを地方へ連れて行くことを意識されています。もちろんその方法は様々あり、例えば高松ではビアフェスやっていたので、そこに近隣の瀬戸内海のクラフトビールの作り手が集まっていたので、そこで一堂に会し、終わった後には金比羅山の麓まで行って、街づくりをしている人たち会いに行ったそうです。

他にも2025年5月、福島市の観光課の方々と一緒に、福島駅前の広場でビアフェスを開催されました。福島の地元でお酒を作っている4組と、日比谷さんたちが呼んだ5組、さらに地元の食材を作ってる人たちとコラボで出店を作ったそうです。

そして福島の地元の人に、ビールも地元へ人を呼ぶツールになったり、福島でもこんな美味しいお酒を作っている人がいるんだってことを知ってもらう仕組みづくりをされ、そのビアフェスは盛り上がりを見せました。最近はいま挙げたようなイベントを仕掛ける依頼も増えているんだとか。

 

ビールを通じて行く先々の地域の理解の解像度があがった

「ビビビ。」をはじめて、何か考え方やライフスタイルに変化があるかと問うと、日比谷さんは地方へ行くときに、その地域の見る解像度や捉え方が今までとは違うと言います。

もちろん日比谷さん自身、レコード集めが趣味で、地方へ行くと地元のレコード店に足を運んでいたそうですが、現在はもう少し踏み込んで、地元でお酒を作ってる人を見ると、そこには当然生活があるから、この人はどれくらい稼ぎ、どれくらいお金を使っているのかだったり、ただビールを作っているだけではなく、地元の人たちとコラボしたり、地元の街作りに参加しようみたいな人も多いそうです。ブルワリーを中心として、その周辺で何が起きているのかに、日比谷さんは俄然興味を持ちました。

もともと日比谷さんは地方のプロモーションを手伝ったりすることもあったそうですが、実際に「ビビビ。」を始めたことで、ビールを作ってる人たちの話を聞くことで、より地方への理解の解像度が高まり、実際に実装されていく過程がすごく面白いそうです。

今はクラフトビールを通して地域活性化に貢献できていると語る日比谷さんの顔はとっても笑顔でした。

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