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「弱みを見せる上司」がなぜ強い?部下の信頼を生む4つ目の報連相

⻆谷建耀知(株式会社わかさ生活 創業者 代表取締役社長)

2026年09月25日 公開

「部下に弱みを見せたらナメられる」は大きな誤解です。なぜあの人のチームはいつも楽しそうに成果を出し、トラブルも未然に防げるのか。その理由は「完璧なリーダーシップ」ではなく、上司からの「本音の共有」と「4つ目の報連相」にありました。部下が勝手に育ち、信頼が集まる「愛される上司」の対話術を明かします。

※本稿は、⻆谷建耀知著『「変わりたい」けど、「変われない自分」から抜け出すための行動の仕組み化』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

愛される上司の秘訣

上司になると、部下には自分の弱みを見せたくないという感情が生まれてしまいがちです。

こちらのほうが立場は上なのだから、しっかりしていなければいけない。迷っている姿を見せてはいけない。わからないと言ってはいけない。「迷っている姿を見せたら、部下に頼りないと思われるのではないか」

そう考えてしまう人も少なくありません。ですが私は、それはとてももったいないことだと思っています。

仕事をしていると、「ちゃんと報連相をしなさい」と言われます。報告、連絡、相談は社会人として大切なことですし、私もその通りだと思います。ただ、多くの職場では、それは部下が上司に対して行うものだと考えられています。

私は、本来そういうものではないと思っています。大切なのは、相手を安心させるための情報共有です。ですから、実は報連相は、上司から部下に対しても必要なのです。

私がこれまでたくさんの人たちと仕事をしてきた中で感じるのは、部下が不安になる原因の多くは情報不足だということです。なぜこの仕事をやるのか。なぜ方針が変わり、なぜその判断をしたのか。それがわからないと、人は不安になります。逆に背景がわかると安心します。たとえ大変な仕事だったとしても、「なるほど、そういう理由なら頑張ろう」と思えるのです。

ところが上司になると、自分の考えを説明しなくなる人がいます。立場が上だから説明しなくても汲くみ取ってくれるだろうと思ってしまうのかもしれません。

ですが、実は部下が本当に知りたいのは結果ではありません。その結果に至るまでのプロセスです。なぜそう判断したのか。何を心配しているのか。何に悩んでいるのか。そうした背景を知ることで、はじめて上司の考えを理解できるのです。

例えば、「正直、この件は私も迷っている」「私も最初はよくわからなかった」「今回は判断を間違えたかもしれない」。そんな言葉を上司が口にすると、「部下から信頼されなくなるのでは」と思う人もいるかもしれません。ですが私は逆だと思っています。そういう言葉を言える上司のほうが信頼されます。

なぜなら、人は完璧な人に安心するのではなく、本音を見せてくれる人に安心するからです。逆に、何を考えているのかわからない人の下では、本音が出なくなります。失敗を隠すようになりますし、相談も遅れます。そして組織全体が、「弱みを見せてはいけない場所」になってしまうのです。

私は、優秀な上司とはなんでもできる人ではないと思っています。わからないと言える人です。助けてほしいと言える人です。間違いを認められる人です。そして、自分から情報を共有できる人です。

組織の空気は、日々のコミュニケーションの積み重ねでつくられます。立派な理念やスローガンよりも、「何を考えているのかを伝える」「困った時に相談する」「途中経過を共有する」といった日常のやり取りのほうが、ずっと大切だと思っています。

だからこそ、部下に求める前に、まず上司から伝えるべきだと思っています。

 

報連相は3点セットではなく4点セット

そして、もう1つ、これは上司、部下にかかわらず、報連相に関することで、大切なことがあります。
私は、報告・連絡・相談の3つだけでは足りないと思っています。

4つ目の必要な行動。それが「確認」です。多くの人は、「伝えたから大丈夫」と思っています。

でも実際には、相手がどう受け取ったかまではわかりません。こちらは伝えたつもりでも、相手は違う意味で理解していることがあります。

「わかりました」と返事をしていても、本当に同じ認識になっているとは限らないのです。同じ言葉を聞いても、人によって受け取り方は違います。伝えたつもりでも、意図がズレてしまうことはよくあるのです。だからこそ、私は、最後に確認を入れるようにしています。

「つまり、○○だということなんだけど、理解できていますか?」
「では具体的にこのように進めるということで大丈夫?」

そう聞くだけで、お互いの認識のズレはかなり減ります。仕事で起きるミスの多くは、能力不足ではなく、認識のズレです。報告も連絡も相談もした。それでもうまくいかない。そんな時は、最後の確認が抜けていることが少なくありません。

確認とは相手を疑うことではありません。同じ方向を向くための作業です。その一手間があるだけで、認識のズレは減り、相手も安心できます。

私は、こうした小さな確認の積み重ねが、仕事をスムーズにし、なんでも相談できる組織をつくると考えています。

著者紹介

⻆谷建耀知 (かくたに・けんいち)

株式会社わかさ生活 創業者 代表取締役社長

1961年、兵庫県丹波市生まれ。 福知山商業高校(現・福知山成美高校)卒業後、東海大学に入学するも、18歳の時に脳腫瘍の手術を受けることとなり、大学を中退。右目の視野を失うも、健康器具の実演販売業界で働きはじめ入社2カ月目でトップ営業になる。
20代で独立し、会社を年商10億円規模まで成長させるが、31歳の時に会社が倒産。借金4000万円を抱えるも、再び起業し1年で完済する。
1998年、36歳で「株式会社わかさ生活」を創業。「独自のマーケティング理論」で売上を伸ばし、7年目で100億円企業に。サプリメント通販業界のパイオニア的企業となる。
『すべての答えは個客の中にある』(アスコム)など著作多数。

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