「やめておけ」と足を引っ張る大人になるか、「やってごらん」と安心して戻れる場所を作るか。若い世代の挑戦を止めているのは、実は社会の厳しさではなく、身近な大人の一言かもしれません。未来を変えるのは大きな決断ではなく、今日できる「小さな一歩」。その理由を紐解きます。
※本稿は、原田祐紀著『自分らしく生きるための 心を整える習慣 ざわつきをしずめるやさしい仏教の教え』(KADOKAWA)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
「社会は甘くない」が若者の挑戦を止めることがある
若い人の挑戦の芽を、周囲の人がこんな言葉で知らないうちに摘んでしまうことがあります。
大人にできるのは、必要なときには避けるべき危険から守り、若い人が安心して挑戦できるように支えること。そして戻ってこられる場所を用意することです。
「社会はそんなに甘くない」
親や教師、上司など、立場のある大人が子どもや若い人を心配してかけるその言葉が、かえって挑戦しようとする気持ちを閉じてしまうことがあります。
思うようにいかないかもしれない。失敗することもあるかもしれない。それでも、その経験から学べることがあります。なぜなら、挑戦したからこそ、見えてくるものもあるからです。
子どもや若い人に必要なのは、安心して戻れる場所です。うまくいかなくても帰ってこられる、失敗しても責められない、傷ついても笑われない場所です。そうした場所があることで、人は社会の厳しさにも向き合いやすくなります。
かけたい言葉は、「やめておけ」ではなく、「やってみたいなら応援するよ」「うまくいかなくても帰っておいで」「そのときは一緒に考えよう」です。
そのひと言が、若い人の背中をそっと押します。
小さな行動が未来につながる
思いを現実につなげていくには、行動が必要になることもあります。
仏教では、さまざまな「因(タネ)」と縁が重なって、結果が生じると考えます。
今の小さな行動も、その多くの「因」のひとつなのです。
頭のなかで思いを巡らせているだけでは、現実が変わりにくいこともあります。
日々の行動の積み重ねが、未来を形づくっていきます。
「これでいいのだろうか」という不安を抱えながらでも、小さく動けることがあります。
だから、ほんの一歩、そっと踏み出してみてください。
行動すると、見える景色や出会う人、得られる情報が変わり、選択肢が増えることもあります。
ここでいう行動は、大きな挑戦でなくてもいいのです。
仕事机の上を拭く。職場の掃除をする。5分だけ作業を進める。一本連絡を入れる。どんなにささやかなことでもいいのです。
未来を動かすきっかけは、あなたの一歩のなかにあります。
今日できる小さな一歩を選んでみてください。