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「ちょっとしたことでイライラ」はキャパオーバーのサイン? 手放すとラクになる8つのこと

新美たかこ(日本ストレスリーディングケア協会代表理事)

2026年10月28日 公開

やることや考えることが山積みの毎日で、頑張りすぎていませんか?お疲れ気味の心をラクにする方法を、ストレスケアの専門家・新美たかこさんが紹介してくれました。

※本稿は、『PHPスペシャル』2026年11月号より内容を抜粋・編集したものです。

 

1つでも当てはまれば“キャパオーバーのサイン”

•ついため息ばかりついてしまう
•ちょっとしたことでイライラする
•SNSを眺めていると、なぜかモヤモヤする
•疲れているはずなのに、なかなか眠れない
•よく寝ても、朝から体がだるい
•胃腸の調子が思わしくない

ここまでの項目に1つでも当てはまるものがあるなら、それはさまざまなものを抱え込み、心がキャパオーバーになっているサインかもしれません。

現代は、ほとんどの女性が外に出て働いている一方で、家事や育児に対する社会的な価値観には、まだまだ古い部分があるのが実情です。つまり、今を生きる女性は、あまりにも多くのタスクを課せられているということ。私たちの心身が疲れているのは、個人の頑張りや力が足りないせいではなく、いわば当然のことなのです。

 

ストレスの原因を手放して

物理的なタスクはもちろん、自分でも気づかないうちに抱え込んでいるストレスによって、心を消耗させている人も少なくありません。

ストレスの原因は、考え方であったり習慣であったりとさまざまですが、それらをやめない限り、タスクの1つや2つを一時的に減らしたところで、心身は回復しないでしょう。また、ストレスの積み重ねによってタスクを手放すことに心理的なブレーキがかかり、結果としてキャパオーバーを招いている場合もあります。

もちろん、タスクを減らすことは大切です。でも、「今、キャパオーバーになっているかも」と感じる人は、タスクそのものの数を無理して減らそうとするのではなく、まずはストレスの原因となっているものを取り除く工夫をしてみましょう。

自分の心を疲弊させている原因に気づき、それらを1つずつ手放していく。このシンプルかつ効果的なケアで、キャパオーバーな心をゆるめ、自分らしく軽やかな毎日を取り戻してください。

 

キャパオーバーになったときに手放したい8つのこと

ここからは、ストレスの原因になりがちな考え方や習慣をお伝えします。心当たりがあるものから、手放してみましょう。

①「やって当たり前」という思い込み

女性だから、母だから、妻だから、娘だから…そんな理由で、「これをやって当たり前」と思っていることはないでしょうか。時代が変わっても、昔ながらの役割意識にとらわれている人は、意外に多いもの。物理的なタスクを減らすことに対し、無意識にブレーキをかけているのは、まさにこの思い込みなのです。

思い込みを捨てて、「誰かに頼ってもいい」「無理にやらなくてもいい」と、自分自身に許可を出しましょう。実際、誰かが「やって当たり前」のことなど、ほとんどありません。

②自分を縛るキャラ設定

過度なキャラ設定により、心を消耗させている人は多いです。たとえば、「私はもともとポジティブなタイプだから、嫌なことを言われても平気」などと自分の本音を無視したり、「おとなしい人と思われているから、発言は控えよう」などと周りの期待どおりに動こうとしたり、といった具合です。

過去の自分や周囲の目を気にして動いていると、心は疲弊します。人は、いろいろな面があるからこそおもしろいのです。「今日は新キャラでいく!」くらいの気持ちで、窮屈な設定から抜け出しましょう。

③SNSの垂れ流し

SNSがストレスの温床になりやすいのは、他人の人生や感情が容赦なく画面上に流れ込んできて、「誰かの正解」や「誰かの幸せ」に振り回されてしまうからです。それらはあなたの「正解」や「幸せ」ではありません。

SNSを眺めるたびに落ち込んだり不安になったりするときは、極力見ないようにするのが◎。我慢しすぎて逆にストレスになってしまう場合は、自分の心が癒やされる投稿だけが流れてくる「別アカウント」を作り、情報の入り口を絞っておくのがおすすめです。

④過去の行動に対する後悔

「こうすればよかった」「あんなことをしなければよかった」といった後悔は、心をかなり消耗させます。過去は悔やんだところで変えられず、その思考にゴールはないからです。そもそも、過去を解釈しているのは今の自分なので、無意識のうちに記憶が曖昧になり、「本当の過去(事実)」とはかけ離れている可能性があります。

過去をネガティブなものとして捉えてしまうのは、心がキャパオーバーになっている証拠とも言えます。思考をスパッと断ち切り、今、自分ができていることに意識を向けてください。

⑤未来への過度な心配

心に余裕がないときは、未来に対する心配や不安が大きくなり、ネガティブな未来ばかりを想像してしまいがちです。考えれば考えるほど不安になるという悪循環に陥ってしまった経験がある人も、多いのではないでしょうか。

できる範囲で将来のリスクに備えることは必要ですが、何よりも大事なのは、今のあなたの心です。未来を悪いほうにばかり考え始めたら、別のことをして気持ちを切り替え、考えるのをいったんやめましょう。

⑥ジャンクフードの食べすぎ

食生活の乱れも、心のキャパオーバーにつながります。忙しくて疲れているからと、安くて手間のかからないジャンクフードばかり食べていると体の調子を崩しやすく、その「だるさ」によりストレスが生まれます。その結果、ますます心身が疲弊してしまうのです。

ジャンクフードだけでなく、加工食品も「だるさ」の原因になりやすいので、食事をとるときは、なるべく添加物が少ないものを選ぶことが大切です。

⑦寝る前のスマホ習慣

キャパオーバーになっている心の緊張をほどくためには、良質な睡眠をとることが不可欠です。日中の予定がタスクで埋まっていたとしても、夜はきちんと眠るようにしましょう。

そのためにやめたいのは、寝る前に布団の中でスマホを見る習慣。夜に長時間スマホを見ていると、画面から放たれるブルーライトの影響で自律神経のバランスが乱れ、睡眠の質が下がってしまいます。せめて入眠する30分前には、スマホを手放すようにしてください。

⑧「悪環境」の放置

人間関係や気候、騒音といった「環境による刺激」も、ストレスの原因となります。心に余裕がないときほど、悪い環境の影響を受けやすくなるため、先んじて手を打っておくことが大切です。

自分にとって「悪環境」だと感じるものからは、できる範囲で離れたり、それらの影響を受けない工夫をしたりしてみましょう。しんどい人間関係から距離を置く、雨の日はのんびり過ごす、耳栓などをして騒音から身を守る…そんな工夫が、あなたの心を守ってくれます。

 

【便秘を改善すれば、心もラクになる!?】

脳と腸は影響を与え合っているため、お腹に便がたまっている状態は、脳にとってもストレスになります。なぜか無性にイライラしたりモヤモヤしたりする場合、便秘が原因となっている可能性も。

発酵食品を積極的に摂るなどして、日頃から腸内環境を整えておくと◎。便通がよくなり脳が元気になれば、自分が今、何を抱え込んでいるのか、何を手放すべきなのかに気づきやすくなります。快便は心をゆるめるための大事な一歩であると、覚えておきましょう。

 

ストレスフリーな心と体になるための優先順位のつけ方

考え方や習慣、舞い込んでくるタスクの取捨選択で悩んだときの参考にしてください。

①「足す」より「引く」

疲れたり不安になったりすると、私たちは何かを「足す」ことで解決しようと考えがちです。でも、心が疲弊している原因のほとんどは、何かが足りていないからではなく、多くのものを抱え込みすぎているがゆえのキャパオーバー。

大事なのは、「何を引くか」です。まずは自分が抱え込んでいるものを頭の中で整理して、自分にとって不要なものを見極め、上手に引き算するようにしましょう。

②「他人のケア」より「自分のケア」

とくに女性は、自分より他人のことを優先しがちな傾向があります。でも、自分の心が疲れ切った状態では、周りの人を幸せにすることはできません。

また、自分の心の状態が健やかになると見える世界が変わり、他人に対しても、さらに優しい目を向けられるようになります。「やること」と「やめること」を取捨選択する際は、自分のケアにつながることを最優先にしてください。

 

心に余白があると人生はもっと輝き出す

散らかり放題でモノがあふれた部屋に、どれだけ素敵な椅子を置いたとしても、心地よ い空間にはなりません。また、クローゼットが洋服でパンパンだと、新しい洋服を買えず、 本当に着たい服が着られなくなってしまいますよね。

私たちの心も、部屋やクローゼットと同じです。不要なものまで抱え込み、常にキャパオーバーな状態になっていると、素敵なものに気づいたり、新しい幸せを招き入れたりできなくなってしまいます。

私は日々、たくさんの人たちと関わっていますが、共通するのは、余計なものを手放せば手放すほど人生がどんどん好転していっているという点です。本当にやりたいことに注力できるようになって夢が叶ったり、心に余裕ができたことで周りの人に優しくなれて人間関係が円滑になったり…。その変化は、ストレスケアのアドバイスをした私自身も驚くほどです。

いざ何かをやめるとなると、きっと戸惑うこともあるでしょう。でも、今こそ勇気を出して、あなたの心をキャパオーバーにしているものを手放してみませんか。

心に余白ができると、そこには必ず新しい風が吹き込んできます。そうすれば笑顔も自然と増え、人生を存分に楽しめるようになるはずです。

【新美たかこ(にいみ・たかこ)】
リラクゼーションサロンやホテルのスパ施設での勤務を経て、ストレスケアに特化したセラピストとして独立。25年以上のセラピスト歴を活かし、現在はメディアでの発信や後進の育成にも力を注いでいる。著書に『ためこまない人は美しい』(三笠書房)がある。

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