※本稿は『ひと文字ののキセキ』より一部抜粋・編集したものです
手足が動かない難病の「こころ文字」作家・浦上秀樹さんが、漢字を見つめながらつむぎ出した、勇気と励ましの言葉。
あなたは、ひらがなの組み合わせで描かれたこの漢字「こころ文字」のもうひとつのメッセージがわかりますか?
(「静」のはじめの文字は「こ」、「動」は「き」からはじまります)
「こころ文字」との出会い
「遠位型ミオパチー」という私の病は、治療法がなく、重い病気とされています。21歳で発症して、19年間。神様が与えてくれたこの「不自由」という環境。どんな意味があり、どんな役目が与えられているのか。ず~っと頭の片隅に置きつつも、「こころ文字」に出会うまではただなんとなく生きてきました。
だけど、霧の向こうにぼんやり何かが動いているのはわかりました。それがなんなのかは、まだ先に進まないと見えてきません。
自分がやりたいことが扉の向こうにあり、それは夢に描いていた世界でした。出会ったすべての人が、私の夢への懸け橋になってくれていることに気づきました。それは、「こころ文字」をやることによって知ることができた、私の生きる道です。
つくづく思います。
病気になって、よかった。
応援してくれる人に囲まれ、本当に幸せ者だと。
文字からいろいろなことを学び取ります。頭の中や心の奥底から湧き出てくるものを絞り、その滴が口と筆に伝わって、私の「こころ文字」は「オギャ~」と生まれます。
一点に集中し、文字を書いているとき、気持ちがよくなります。軽くなって、心や体が宙に浮かんできます。この文字が発信している、本来の意味を考えると、楽しくなります。書き上がると、もっと楽しくなります。
もうひとつのメッセージが込められた「こころ文字」(1)楽
こうどうりょく
たとえば、意思をもって行動すると、自分を楽しくさせます。
あの人は、何を望んでいるのだろう。
相手の顔を浮かべながら行動すると、楽しくなります。
自分のやりたいことに、与える喜びを足していくと、人生が豊かになります。
もうひとつのメッセージが込められた「こころ文字」(2)動
動くことには、努力が必要です。
動けば、継続して力を得られます。
動き続けることは、重たい山をも動かす奇跡を呼びます。