<職場のマナー裏ワザ講座>電話とメールの使い分け方は?
2014年07月01日 公開 2023年01月12日 更新
《『THE21』2014年7月号より》
★今月のお題★
固定電話と携帯電話とメール
ビジネスにおいてはどう使い分けるべき?
最近、携帯に大量の迷惑メールが! 固定電話には連日畳屋さんから張り替えの営業電話が! 我が家、畳部屋ありませんけど。そして携帯電話には着信履歴だけでメッセージなし。「誰? 気になるじゃない!」ということで、今回は電話にまつわるマナーです。
<電話とメールのマナー[1]>
まずは固定電話が基本
最近は名刺に携帯電話の番号が記載されているケースも多いですが、固定電話はいつ電話がかかってきても良い公の電話です。ビジネスの場面では、公式にコンタクトを取るのが基本ですから、まずは固定電話へかけましょう。誰が出るかわかりませんので、言葉遣いには特に注意が必要です。また電話会議の場合は、固定電話のほうが回線トラブルやノイズが少なく安心です。
<電話とメールのマナー[2]>
相手が希望したら携帯へ
相手が外回りの多い営業職など不在がちの人の場合、相手から「直接携帯へかけてください」と言われたら、かけても大丈夫。携帯電話は固定電話と違って必ず本人が出ますが、それが効率的で良いという人もいれば、できれば携帯にはかけないで欲しいという人もいます。自分は構わないから相手も大丈夫だろうと思うのは大間違い。「失礼な人だ」と思われることもあります。携帯へ電話すべきか迷うときは、事前に「どちらへ連絡するのがご都合よろしいですか?」と聞いておきましょう。
<電話とメールのマナー[3]>
留守電は必ず残す
着信履歴有りで留守電にメッセージがないと「何の用だろう?」「自分からかけたほうがいいのかな?」と不安になります。まず、必ずしもあなたの電話番号を相手が登録しているとは限りません。着信履歴に電話番号だけ表示されると「この番号誰だろう?」と思いますよね。会社名や個人名が不明の相手には積極的に折り返しの電話はしないもの。だから留守電にはちゃんとメッセージを残しましょう。残す際「私、○○社の△△です。××の件で電話しました。また後ほど○時頃に電話します」というように会社名と名前、用件、どうするのか、またはどうして欲しいのかを端的に伝えます。ちなみに20秒の留守電機能だと、130文字程度のメッセージが残せますよ。
<電話とメールのマナー[4]>
相手の都合優先ならメール
メールの特徴は、相手の都合で見ることができることと、記録に残すことができること。たまに「今、メールを送ったのですが」と直後に電話をかけてきてメールと同じ内容を話す人もいますが、電話では概要、メールでは詳細と使い分ける必要もあります。送信側にとって相手が見てくれたかは気になります。そこで受信側も24時間以内の返信を心がけましょう。
すぐに回答できないものでも、メールを確認した旨は伝えましょう。また送信側か早い返信を希望する際は、「○日までに返信をお願いします」と期日を記し、その期日が過ぎても返信がない場合に電話をかけて確認をとります。期日が明記されたメールは、返信の優先順位が上がります。
もう1つの使い方は、電話で話したいのに相手がなかなか捕まらない、というとき。「○時に電話しますので、ご都合が悪ければご希望の日時をお知らせください」と事前にメールをしておいてもいいですよ。
ところで、メールにまつわるトラブルで多いのがクレーム対応です。メールでクレームが来たからと、ずっとメールのみでやり取りをして事態を悪化させることもあります。クレーム対応に関しては、メールはあくまでも補助的手段です。まずはお詫びの言葉と改めて電話する旨を記して、その後は電話で話をうかがい、必要に応じて先方へ出向ききちんと謝意を伝えることが大切です。クレーム対応は対面が一番効果的! 怒られるから、面倒くさいからとメールのみで逃げ切ろうとしないことです。
電話もメールもビジネスに欠かせないツールですが、実は最も使い方に個人差が出るツールでもあります。自分の使い方を押し付けることなく、相手に配慮しながら上手に使いこなして、効率的な仕事を目指しましょう。
★今月のまとめ★
自分の使い方が「常識」と思わない!
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(しのはら・あかね)
マナー講師/スマートコミュニケーションズ代表
〔株〕リクルート組織活性化事業部(現・〔株〕リクルートマネジメントソリューションズ)での研修業務、国際口-夕リーでの秘書を経て、〔株〕アヴァンティスタッフにてビジネスマナー講師活動を開始。後のアデコ〔株〕では、既存のマナー研修に加え、プレゼンテーションやコミュニケーション、管理職向けの研修など、そのフィールドを大きく広げる。2011年より現職。
著書に『宴会を制する幹事は仕事も制す。』(スタジオタッククリエイティブ)がある。
<掲載誌紹介>
<今月号の読みどころ>
「知っているか、知らないか」ではなく、「考えられるか、考えられないか」。答えが用意されていないビジネスの世界で求められるのは、自ら問いを立てて、アイデアを考えたり、判断することです。そして、そのベースになるのが“地頭の良さ”です。
今月号では、どうすれば地頭が鍛えられるのかについて、実績あるプロフェッショナルに教えていただきました。